冒険記録日誌
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2009年07月05日(日) |
ウォーロック 第40号 1990年4月 |
「恒例! ゲームブック・スペシャル 1989年にはどんなゲームブックが出たか」というタイトルのまんまの特集が組まれています。 徐々にゲームブック専門誌からTRPG専門誌へとシフトしていると思われるウォーロックですが、年間特集をまだやってくれているのは嬉しいところです。 ただ、紹介されているゲームブック年間出版リストの中には「ソードワールド・ルールブック」や「クロちゃんのRPG千夜一夜」などの明らかにTRPG関連の書籍も含まれています。ウォーロック的にはこれらもゲームブックの範疇に入るということみたいです。 ちなみに出版リストから普通の(パラグラフ分岐型の)ゲームブックだけを抜き出してみると、(内容がわからずゲームブックなのか見分けがつかない書籍もあるので正確な数は不明ですが)およそ100冊くらい出版されていました。 今の感覚からすれば、まだ十分すぎるほど沢山発売されているような気がしなくもないです。 この中で双葉社は、全体の半分近い46冊ものゲームブックを出しています。定番のTVゲーム原作の作品群以外にも、少年少女を主人公にしたオリジナルの冒険ものから、少女小説をベースにしたペパーミントシリーズなどのような変り種もチラホラあり、今でいうライトノベル小説のゲームブック版みたいな路線でいろいろやっていたようにも見えます。当時はまだ“萌え”の要素やその概念はなかったですけどね。
記事の方ですが「従来のパラグラフ分岐型のゲームブック」の出版数の減少が目立っていると指摘。TRPGの発展でゲームブックのメリットは薄れた。人気TVゲームのゲームブック化作品のような、TRPGではできないキャラクター性を売りにする路線も有効だと思われる。しかし、それだけでは根本的な対策にはならないので、「送り雛は瑠璃色の」や「魔城の迷宮」のような新しいアプローチの作品を出していかないと先細りする一方だ、というような主旨のことが書かれていました。
対談コーナーでは、編集部以外にゲストゲームブック作家として、「エクセア」を書いた宮原氏、「送り雛は瑠璃色の」の思緒氏、「魔法使いディノン」の門倉氏の3人が呼ばれていました。いずれもウォーロック誌でお馴染みの人ばかりでこれはちょっと安直だな。対談内容も、鈴木直人作品の人気の秘密は?と聞きかれて「よくわかりませんが固定ファンが多いからでしょうねぇ」などと答えるとか、どことなくピントのずれた会話でしたし。 ところで門倉氏と思緒氏は同一人物という説をネットのどこかで見たことがあるのですが、この対談コーナーを読む限りではどうみても別人なのですが?対談も実は一人二役を演じていた?2人の作風が似ているから、そんな噂が生まれただけ?よくわかんないな。 似ているといえば創土社から出版されている「魔人竜生誕」を書いた松友氏は、ゲームブック作家としては宮原氏と似たタイプな気がします。対談で36号のウォーロックに掲載されていた「さらば青龍」が、聖闘士星矢の影響を受けまくっていると宮原氏が話しているあたりなんか特に。いや、だからどうというわけじゃないですけど、なんとなく。
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