冒険記録日誌
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2008年08月17日(日) |
たけたろうの冒険 ──FF20・サムライの剣編 その5── |
(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)
茂一を仲間に加えて、少し後悔をした。なぜならこの新しい家来は、道中の間ずっと自分のことや家族のことなどを喋り続けていたのだ。 別に寡黙な男が好みとは言わないけれど、あまり話し好きな人間も疲れるわ。 ところがその茂一が急に黙り込んだ。茂一の視線をたどると、はるか先に要害堅固な城が見える。 「あれが裏切者、貞信公の城です」 静かに茂一が言う。 貞信公といえば先ほど村を襲っていた連中のあるじだ。まあ、茂一もその一味だったけど。私は決然と茂一に振り向いた。 「将軍の反逆者はほっとけないわ。今から貞信公を討ち取りに行きます」 (名誉点が1増える)本音では、また寄り道になるなーとは思ったものの、ファイティングファンタジーの世界じゃ、どこで必要な情報やアイテムが手にはいるかわかったものじゃないという打算もしっかり働いていた。 茂一は少し表情をくもらせた。無理もない、彼にとっては以前の主君を討つということだ。しかし、私の顔を見ると彼もうなずく。 「わかりました、ご主人様。サムライとしてやらねばならないことと存じます。私なら城の裏口も秘密の合言葉も知っておりますし。私のような身分低いものがご主人様のように高貴な方をお連れすることが許されるならご案内いたします」 茂一の言葉が新しい主人に対する忠誠心からのものなのか、もしかして皮肉が混じっているかはわかりかねたが、私は信用することにした。彼を連れて城を目指して歩き始める。 念のため鶏肉を干したものを食べて体力を全快しておく。(1食分減らす)茂一はこんな状況で食事とはなんと肝の座った方だ、とか言いつつ感心している。
城の小さな裏門の前で茂一が合言葉を言うと、戸口が開いた。茂一から門番は1人しかいないと聞いていたので、素早く中に潜り込むと門番を殴って気絶させた。 足早に城壁にそって中庭を歩き、粗末な家や馬小屋などの前を通り過ぎていく。侵入が騒ぎになる前に貞信公を討たなくてはならない。 奇怪な像をかかげた天守閣のある建物に近づくと、猿人類のような化け物が2匹、鎧をつけて立っているのを見て息をのむ。鬼女だ。鬼女がいるということは、イキルと貞信公が同盟を組んでいる揺るぎない根拠といえる。 2本のかぶら矢を放つと(技術点のロール………成功)鬼女は音も立てずに倒れた。私の手際の良さに茂一が口をあんぐりあけて驚く。ふふっ、実は私もこのサイコロ運に驚いているけどね。
屋敷内に駆け込んだ私と茂一は長い廊下と大きな部屋で構成された迷路のような城内を静かに駆け回った。大半は空っぽの部屋で、たまに使用人たちが驚いて逃げ出していく。 廊下の角をまがったときに、目的のものに出会った。貞信公が護衛のサムライ2人をつれて歩いていたのだ。貞信公はアゴが弛んで、ぶくぶくと太った大男だ。黄金の葉の模様を散りばめた羽織に、きらびやかな冠をかぶるという、頭の痛くなるほど悪趣味な姿をしている。貞信公が後ろを向いて逃げ出すと同時に、護衛のサムライたちが前に出て一礼すると私と茂一を襲ってきた。それぞれ一対一の勝負だ。
貞信公の近習 技術点9 体力点8
手強かったが、幸運にも体力点を4失っただけで勝つことができた。 茂一も傷を負いながらも倒したようだ。刀を抜いたまま、貞信公を追いかけて走りだす。走りながら私は片手で饅頭を食べつつ(1食分減らす)体力を全快しておく。 茂一は走りながらもポカンとした顔でこちらを見ていたが、睨みつけると彼は目をそらした。
貞信公は美しく飾られた部屋に飛び込んでいった。私たちが部屋に入ったときには、仕掛け扉を開ける蓋を持ち上げようとしていたが、肥え太った体には蓋が重すぎるのか上手くいっていなかった。近くまで迫ると、彼は恐怖にわななきながら膝まづく。 「命だけはお助けを。勇敢な剣士様!なにもかもイキルのせいなんです。おかげで私は将軍を裏切ることになってしまった。お許しを。これからは忠実な将軍のしもべとなりますから!」 見え透いた嘘だわ。相手のあまりの卑屈な態度に嫌悪と軽蔑の表情で答えると、貞信公の目つきがやぶにらみになった。その懐から突然短剣が飛び出し私の太ももに突き刺ささる。(体力点3減らす) 「くそったれが!」 そう叫ぶなり、やけになって飛びかかってきた貞信公を茂一が斬った。よろめいた巨体に私が刀を突き刺す。 「成敗!」 貞信公の屍がくずれ落ちた。(名誉点1を得る)
茂一が部屋を物色している間、私は餅をがっついて体力を全快させる。(1食分減らす)茂一は何か言いたそうだったが、睨みつけるとやはり目をそらした。 収穫は小判100枚もの大金だった。もっともこの旅で金がそんなに必要になるとは思えなかったが。それから仕立ての良い鎧があり、サイズが私に合っていたので着替えてみると、とても使いやすい。(技術点を1増やす) それに立派な白鷲の矢が目にとまる。弓術の名人常原がつくった矢で、法力が込められているようだ。1本だけしかないがこれも頂戴しておく。 部屋の外が騒がしくなってきた。貞信公の家来が駆け付ける前に、さきほどの蓋を開けてみると、真っ暗な横穴に下り階段が続いていて、ここから城の外に抜け出せそうだ。 茂一と一緒に穴に潜り込むと、蓋をしっかり閉める。こちらから鍵をかけると簡単には向こう側から開けられない仕掛けになっていた。 ひとまずの安全を確保した私たちは、注意深く階段を降り始めた。
続く
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