冒険記録日誌
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2008年08月13日(水) たけたろうの冒険 ──FF20・サムライの剣編 その1──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 今日はクール大陸の辺境の地にある八幡國の夏祭りだったので、私ことたけたろうは、腹違いの妹であるともみと一緒に遊びに出かけていました。八幡國に夏祭りがあるかって?ええ、あるんですよ。
 ともみは夏祭りの雰囲気に合わせて、着物を着ていました。長い髪も黒く染めて、すっかり八幡國風の娘の格好をしています。ちょっと目がきつめですが、なかなか似合いますねぇ。ともみが腕を絡めてきたので、純情な私としてはちょっと赤くなっちゃいますよ。妹といっても私とともみは別々なところで育っていましたから、他人みたいなものでしたからねぇ。
 「ねぇ兄貴ぃ、ワタ飴買ってー、リンゴ飴買ってー」
 「いや、さすがにワタ飴やリンゴ飴は八幡國にはないでしょ!」
 ともみがブーブー文句を言いましたが、ないものはないのです。代わりに屋台で棘々獣の肝臓のからし漬けを買ってやりました。これは本来、北アナランドや南カーカバードの名物なのですが、八幡國にもあるみたいです。
 みこしや花火なんかを見物したりなんかして、久しぶりに楽しい夜を過ごしましたよ。

 ドドン!
 次の日、私とともみは、太鼓の音と共に50畳分はあるかという畳の大広間に通されました。
 真正面には将軍様、横にはズラリと何十人もの家臣たちが正座しています。
 「よく八幡國にきてくだすった!どうか!どうか、この八幡國のために“鍔鳴りの太刀”を取り戻してくだされぃ」
 家臣たちが私たちに頭を擦り付けるようにして、お辞儀をしました。“鍔鳴りの太刀”とは聞いたことがあります。たしか代々の将軍家が所有する八幡國の宝刀とも呼ばれるもので、持ち主に絶対的な力を与えるといわれているはずです。
 将軍も重々しい口ぶりで頼まれもしないのに私達に事情を語ってくれます。
 「この国は今、大変な危機に陥っているのだ。何人かの大名がわしのもとを去り、謀反を企てようとしている。盗賊や蛮族どもも横行するようになった。すべては宝刀“鍔鳴りの太刀”が盗まれてしまったからなのだ。盗んだのは誰であろう、あの闇将軍イキルなのじゃ。奴は魑魅魍魎の巣くう鬼軽城に君臨し、今や刀を手にしたイキルの旗のもと、鬼女や悪鬼、修羅どもが続々と集まっておる。この桜の咲き誇る美しい八幡國がイキルに支配されるのは時間の問題だ。鬼軽城へ赴き、イキルを殺し、わしのもとに“鍔鳴りの太刀”を持ち帰ってくれ」
 ちょっと、嫌ですよ。そんな怖い任務。なにかもっともらしい理由を考えてお断りして帰りましょう。
 「承知しました。恐れながら私に会う鎧、それから弓矢さえ賜れば、その任務お引き受けいたします」
 返事を考えていると、ともみが突然かしこまった声を出したので驚いてしまいました。将軍は大喜びで、幸運を司る布袋様の加護を祈るとかなんとか言いながら、ともみの希望した鎧と弓を持ってこさせています。
 「ちょっと、ともみ…ともみさん…。大丈夫なんですか、そんな安請け合いしてイキルを倒せる自信はあるのですか?」
 「残念だけど、成功の可能性は低いわね。ただ、今回の冒険で鬼軽城にいくルートは2つのあるの。そのうち影の森を抜ける道なら比較的危険は少ないはずよ。それに4つの特殊技能のうち“弓術”を選べば、ある程度戦闘をせずに敵を倒せるから技術点の低い私でもまだ望みはあるわ」
 ともみは弓の弦をひっぱって調子を見ながら、こともなげに答えました。 
 そして鎧を着込み、将軍に一礼すると大広間から下座していきます。ともみの去り際に私はもう一つ小声で尋ねました。
 「その成功の可能性ってどのくらいです?」
 「んー、サイコロ運にもよるけど1%くらい?」
 い、いちぱあせんと?
 ショックで一瞬ぼーぜんとしましたが、ともみが立ち去った後、大広間の将軍と家臣の目がじっと残った私に注がれているのにすぐに気づきました。家臣の一人が咳払いをしてから口を開きました。
 「ところでたけたろう殿。貴殿はどうなされるかな?」
 「え?私ですか…。あの、選択の余地はあるのでしょうか…。たとえば依頼を断るとか」
 「ふむ、出来なくはない。しかし、その選択肢は将軍様に恥をかかすこと。名誉点を0点まで減らすに値するな」
 「えと、聞くまでもないかもしれませんが、八幡國で名誉点を0点まで減らすとどうなりませうか?」
 「無論、切腹じゃ。わが将軍様は恥をかかされたからと、すぐに打ち首を命じる方ではござらぬ。サムライとして名誉と誇りある切腹をお許しになるあたり、いかに慈悲深いお方であらせられることか」
 やっぱりー、それって選択の余地ないでしょ!切腹も打ち首も結局は一緒じゃないですかぁ。
 仕方なく泣く泣く私も「お引き受けします」「うむ、殊勝な心がけあっぱれじゃ」と馬鹿馬鹿しい会話をして早々に大広間を下座しました。

 慌てて鎧を着こむと、ともみの後を追いますが、何とともみはすでに旅立っていました。冒険のことになると、相変わらずそっけのない妹です。これじゃ、ツンデレにすらならないですよ。
 「ともみ殿は我らから刀と矢筒を受け取り、影の森を目指して出立なされました」
 槍を構えた2人の門番たちが玄関口で私にそう教えてくれます。急いでともみを追わなくちゃ!
 「なりませぬ!」
 門番たちが影の森へ行く道に行こうとする私を、槍を構えて押しとどめます。
 「2人が同じ道をたどれば、同じ罠や妖怪に道を断たれる恐れがあるやもしれませぬ」
 「鬼軽城に到達する道は2つ!たけたろう殿は浅瀬川を渡る道を進みなされぃ」
 ま、待ってください。確かともみの話では、影の森を通るほうが楽と言っていたから、つまりその浅瀬川を渡る道とやらの方が危険じゃないですか!?
 しかし、門番は慇懃に槍を構えて、ともみの向かった道を通せんぼします。とほほほほほ…。
 私は観念して旅を始めました。特殊技能は敵から逃げるのに役に立ちそうな“猿飛び”を選択します。


<たけたろう>
 技術点   7
 体力点  14
 運点    7
 名誉点   3
 所持品:刀、鎧、食料10食分
 特技:猿飛びの術


<ともみ>
 技術点   7
 体力点  14
 運点    7
 名誉点   3
 所持品:刀、鎧、弓、矢(柳葉の矢3本、威力の矢3本、鎧通しの矢3本、かぶら矢3本)、食料10食分
 特技:弓術


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