冒険記録日誌
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2008年08月04日(月) たけたろうの冒険 ──FF18・電脳破壊作戦編 その4──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 私はゆっくりと意識を取り戻した。
 ここはどこだろう?薄目をあけると、薄暗いところで、自分が椅子に座らされていることはわかった。
 それにしても後頭部ですごい頭痛がする。シュートを滑りおちた先で頭をぶつけたらしい。(体力点を2減らす)
 はっきり目を開けて椅子から立ち上がろうとすると、強烈なライトが私の目を突き刺す。手をかざしてライトの方を見ると、3人の人影が見えた。
 「あなた。私たちのビジネスについて知っているようね。可能性は2つ。アルカディオン人のスパイか、地球から来た私たちの仲間だわ」
 女の声が聞こえる。喋ったのは真ん中の人影のようだ。少しずつ目が慣れると、その女がクラブの隅のソファにいた人間だとわかった。どうやら私は疑われているらしい。
 「いきなり酷い扱いするじゃない。おかげで頭をぶつけちゃったわよ。私はただここのボスのベラトリックスと話しをしに来ただけなのにさ!」
 「乱暴な扱いをしたことは謝るわ。でもこうするしかない事情もわかってちょうだい。それにしても、あなたは私の名前を知っているわけね。でもそれはあなたがスパイじゃない証拠にはならないわ」
 「ハッ、よく言うわ!じゃあ逆に聞くけど、あなた達がSAROSのメンバーだという証拠はあるの?私の使命は重大なんだから、アルカディオン人の手先かもしれない人達と軽々しく話せないわ」
 私はむかっ腹がして、毒毒しく言い返してみた。言いながらふと、たけたろう兄貴ならこの場面はどうしていただろうとも考える。きっとさぞかし大慌てだろうな。
 傍にいた二人の男は、心外だといわんばかりの顔をしたが、ベラトリックスは頷いた。
 「私にいえるのはこれだけ。私達は例えアルカディオン人でも、証拠なくしては有罪にはしないということ。その厳格な行動原理がなければ、私達もアルカディオン人と同類になってしまうからよ」
 へえ。この女、なかなかしっかりしてるわ。レジスタンスのボスをやっているだけのことはあるわね。
 私はベラトリックスが本物であると信じて、自分の使命を打ち明けてみた。
 3人はなにやら話し合いを始めた。しばらくすると、話しがまとまったらしく、ベラトリックスがこちらに向き直る。
 「いいでしょう!あなたを信じます。あなた達もいいわね」
 「ええ、仮に彼女がスパイだとしても、ここのことは大して知らないし、最悪私達の活動が一時ストップするだけでしょう」
 取り巻きの男どもも頷く。ベラトリックスが私の目の前までせまった。
 「苦労させたわりに僅かしか情報がなくて申し訳ないのだけど、アルカディオン人の中央コンピュータは、電子ロックされた扉に守られているのは知っているわね?それでその解除コードだけど、噂ではアルカディオン人たちがその数字の一部を覚えるために行進曲を作曲したというの。それを歌ってあげるわ」
 ベラトリックスが行進曲を歌うとその中に「101」という数字が隠されているのがすぐにわかった。しかし…。
 「ねぇ、ベラトリックス」
 「なに?」
 「そんな3桁のコードもロクに覚えられないような奴らに、私たち人類は負けたの?しかもそんな重要なコードを行進曲にするとか。アルカディオン人ってアホ?アホなの?私達人類はアホに負けたの?」
 「言わないでっ!私たちも悲しくなるから!」
 ベラトリックスはわっと泣き出した。取り巻きの男たちも、涙を滝のように流している。いやもう、なんだかなぁ…。

 「フィジョン・チップス」を出て私はホテルに戻り一泊する。翌朝、宇宙船を出発させた。
 次の惑星はラディクス。情報によるとラディクスは、惑星トポロスよりも温暖で快適な星と聞く。住んでいるアルカディオン人も、主に南アルカディオン人で彼らは北や中央アルカディオン人よりは人間に寛容だ。
 悪い情報もある。まずラディクスのレジスタンス組織の情報がまるでないということ。おそらくラディクス唯一の大都市のどこかにいると思うけど。もう一つは南アルカディオンは比較的温厚とはいえ、詩的な表現で会話するので意思が通じにくく、繊細な性格で怒りやすいのだ。
 私はそんな情報をしばらく反芻していたが、ラディクスに到着するまでこのことは忘れることにした。考えても仕方がないし、出たとこ勝負よね。

 続く


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