冒険記録日誌
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2008年07月28日(月) |
エイリアン2(佐々木 隆/JICC出版局) |
有名なホラー映画「エイリアン2」のゲームブック化作品。 私は映画のエイリアンシリーズは、1は見たけど2以降は見てないのですよ。ただ、あらすじだけは本書を読む前にネットで調べました。知らない人のために書くと、数十家族の開拓民が住み着く惑星から連絡が途絶えたため、様子を見るために屈強な戦士たちをのせた宇宙船が捜索に出向く。そのメンバーには前作で唯一の生き残り、リプリー(主人公)の姿もあった…という話しでした。もちろん、その惑星に待ち受けているのは凶悪なエイリアンたち。
見ていない映画版と比較して云々と感想をいうことは出来ないのですが、遊んだ感じではゲームブック版も基本は映画のストーリーに沿ってゲームが進行しているように見られました。ストーリー的に大きな枝分かれをする分岐点はなく、いくつかの例外を除いて映画にあったストーリー上の伏線を壊すような選択肢を選ぶと、遅かれ早かれゲームオーバーになってしまうというゲーム性。アルファベットによるフラグチェックがある以外は、特にルールはないので気楽に遊べますが、この一本道ストーリーのために、何回か繰り返して読んでいるうちにすぐに飽きてしまいます。 どちらかというと「エイリアン2」より、登場人物が少人数で舞台も宇宙船内に密閉されていた1の方がゲームブックの題材として向いていたかと思いますね。(もっと身も蓋もなくいうと1のストーリーの方が面白い) 創元推理文庫の「惑星不時着」(2002年03月25日の冒険記録日誌で紹介)の序盤に登場した展開がまさに「エイリアン1」をゲームブック化したような感じでして、そこそこ行動の展開に幅もあって気にいっていました。それで同じような面白さを本書に期待して遊んでみたのですが、前述の理由からちょっとイマイチだったかなぁ。
ちょっと目にとまったのは、本ストーリーではリプリーがエイリアンの危険性をいくら説いても他の船員たちは本気にしなかった為それが後々の惨事につながるのですが、序盤あたりの選択によっては、船の指揮官をうまく説得でき、エイリアンが住み着いていると思われる建物に宇宙船上から核攻撃をして、ほとんど死傷者がでないうちに地球に帰ることができるHAPPYENDが用意されていること。一番最初に遊んだときは、このパターンですぐにクリア出来てしまったのでちょっとびっくりしました。 映画を見た人はたぶん、リプリーの説得に耳を貸さない船員たちのシーンでは、ヤキモキしていたのではないかと思います。自分だったら、なんとか説得できた、あるいは話しをちゃんと聞いてみな死なせずに住むのに、などと思った人も中にはいるんじゃないかと。そういう意味では、自分の意思によってこれから起こる危機を回避できる展開を用意してあるのは、なかなか心憎い演出じゃないでしょうか。このような本編のストーリーを壊す選択肢をもっと多く用意して欲しかったものです。
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