冒険記録日誌
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2008年07月22日(火) |
ウィザードリィ外伝1―女王の受難―(山崎和緒/双葉文庫) |
双葉ゲームブック版、ウィザードリィの第四作目です。原作はゲームボーイで発売されたウィザードリィシリーズ外伝ということですが、当時の携帯ゲーム機にもかかわらず、内容は正伝にも負けないほど作りこまれている名作です。私自身、かなりやりこんだゲームなので内容はよく覚えています。 ストーリーは女王アイラスが即位して間もないリルガミンという王国が舞台です。女王のたった一人の肉親である姉が失踪。ほどなくして、宮廷魔術師だったタイロッサムが迷宮に立てこもり、魔物を次々と召喚をし始める謀反に及ぶ。冒険者は危険な迷宮に挑んでこの邪悪な魔術師を退治できるか!?という内容です。
さて、ゲームブック版の話題に戻しますが、ウィザードリィの魅力といえば、自由なキャラクターメイキングに、豊富な魔法を交えた戦闘の駆け引き、マップを徐々につぶしていく迷宮の探索でしょう。さすがにゲームブックで全てを詰め込むのは難しかったと見えて、冒険をする6人パーティーのキャラクターの職業と種族は、戦士シアン(主人公で人間・男)・君主アンディ(エルフ・男)・盗賊ティル(ホビット・男)・僧侶ナディ(エルフ・女)・司教アマルダ(人間・女)・魔術師ギッシュ(エルフ・男)と固定です。(一応主人公のみ、中盤で侍へ転職するか選択する機会がある。あと、作者はどれだけエルフ好きなんだよとか思ったり) 魔物との戦闘も剣で攻撃するか、MPを消耗して魔法で攻撃するかの2択がある以外はシンプルなシステムになっています。ただ迷宮内は自由に移動でき、迷宮でおこるイベントも原作のほぼ全てを再現しているので、迷宮内の探索は原作の雰囲気をうまく再現しています。鍵を手に入れてエレベーターを利用できるようになると移動が楽になるとか、HPやMPが減ってくると魔物との戦いが不利になるのでコマメに城下町に帰還して宿屋に泊ったほうがいいとか、魔物を倒すたびに逐一出現する宝箱を開けるときの描写(たまに罠に引っ掛かる)とか、そんなところがウィザードリィっぽくていいです。仲間のティルとギッシュがしょっちゅうおこす口喧嘩も面白く、単調な迷宮探索に色をそえてくれます。 もっとも前半の地下6階までを制覇して、ストーリー的にも折り返した後の、強敵が待ち受けるはずの残りの6フロアが、迷宮と呼ぶにはあまりにも寂しいほど小さなマップでしかなかったです。魔物の出現数も少なく、後半はずいぶんあっさりと最後の敵まで進んでしまい、エンディングになってしまいました。パラグラフ数に限界があったのか、後半の迷宮部分はもともと原作でも謎解きが少なかったためか、いずれにしても物足りなくて残念。クリアには必要ないけど最後の敵よりも強い敵がわんさかいる、あのフロアまで再現しろとはいいませんが、後半部分ももっと作りこんで欲しかったなぁ。 ところでゲームブック版のオリジナル設定である仲間のアマルダの正体が実は○○だったという内容は、いかにもな展開でしたねぇ。まあ、お約束でもそういうストーリーは嫌いじゃないので、まあいっか。
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