冒険記録日誌
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2008年07月21日(月) |
ヘラクレスの栄光−若き勇者の伝説−(井上尚美/双葉文庫) |
原作ゲームのことはよく知りませんが、まだ一介の羊飼いの少年だったヘラクレスが、ゼウスの神託をうけて、羊を売り、剣と盾をそろえ冒険に旅立つというRPGっぽい内容の作品。 各地にある神々の神殿に赴き、そこに居座っている冥界の神ハデスの配下の魔物を退治し、ハデスの元から各神殿にあったはずの神像を取り戻すというのが主人公の使命です。 戦闘システム的なところと、各神殿で中ボス退治をしては、町に戻るを繰り返し、最後に大ボス(ハデスのところ)の元へ行くというストーリー展開が、少年魔術師インディ1(冒険記録日誌2002年6月ですでに紹介済み)に非常によく似ているところが特徴的です。作者も同じせいということもあるでしょう。 おもしろいアイデアとしては、巻末にインディでいう“魔術の書”にあたる、45章と最終章で成り立った”勇者の本”があって、これが主人公ヘラクレスの冒険の経過を神話調にまとめる役目を果たしています。また冒険が終わって経過していった章をまとめて読めば一つの吟遊詩人の歌うがごとくの物語が完成するという演出になっているのは綺麗で素敵なアイデアです。
実際にやってみましたが、神殿の攻略順もある程度自由に選んでもクリアが可能で、割と好き勝手に冒険を遊ぶことができます。ただし、戦闘中でページをパラパラめくるチェックで、一度最悪の目がでると、即ゲームオーバーという場面が数箇所あって、順調にことを進めていてもそれが避けられないのが不満でした。実際、最終戦闘でパラパラチェック一発死のゲームオーバーが何度もあって泣けそうでした。あまりがちになる勇気点を消耗して、目を修正したり、やりなおしたりするシステムがほしかったですね。 インディシリーズに比べれば、キャラクターや背景の魅力に、やや乏しさはありますが、これは原作つきだから多少はやもえないかもしれません。それでもインディシリーズを楽しめた人には、十分お勧めできる佳作だと思います。
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