冒険記録日誌
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2008年07月23日(水) |
新・鬼ヶ島−暗黒の化身を討て!−(池田美佐・上原尚子/双葉文庫) |
原作となったファミコンゲームがどんなものかはまったくわからないのですが、桃太郎の物語を基本に、他のいろんな日本昔話の要素を混ぜたようなゲームブックです。サイコロなどのランダム要素はなく、体力点と知力点と所持金、それと持ち物の管理をするだけのシンプルなルールなので、気軽に遊ぶことができます。 物語のはじめは8歳になったばかりの男の子と女の子、太郎とひかりが主人公(メインは太郎)で、お爺さんとお婆さんとの4人暮らしをしています。ゲームが始まってしばらくすると、鬼たちが村を襲い、お爺さんさんたちを含む村の人々の魂を抜き取ってしまったのです。残された2人は鬼たちから村人の魂を取り戻すことができるのか!という感じでお話しが進みます。最終目的は全ての元凶となる龍を退治することです。
さきほど気楽に遊ぶことはできるとは書きましたが、実際に遊んでみたところ気楽にクリアはできませんでした。なぜなら、序盤の店での買い物や、一見何気ない選択肢などから、クリアに絶対必要なアイテムを取得したり、クリアに絶対必要なイベントを通過できるかが決まってしまうからです。即ゲームオーバーになるのはまだいい方で、それらのアイテムがなくても途中までは進めてしまい、終盤まで引っ張られてから結局ゲームオーバーというパターンにおちいったりすることもしばしば。じゃあ、面白くないかというとそうでもなく、文章は子供向けに読みやすく、何度か挑戦していれば正しい道筋が自然にわかってくるので、だんだんクリアが近づいてきます。 難点をいえば、サイコロのようなランダム要素がなく、正しい道もある程度一本道に決まっているため、一度クリアしてしまうともう一度遊ぼうという気にならないところでしょうか。あと、主人公の太郎とひかりは、最初こそ一身同体という感じで物語は進んでいたのですが、途中からひかりと離れ離れになってしまい、エピローグでも太郎とひかりが別々になってしまったことがちょっと残念。あと、序盤で太郎とひかりを救ってくれたっきり、その後登場しなかった金太郎をはじめ、存在意義がよくわからない唐突なキャラが多い気がするかな。 遊んでいるうち、「悪夢のマンダラ境」を始めとする鳥井加南子さんのゲームブックシリーズを思いだしました。あの作品ほど精錬された文章や作りこみには達してないですけど、ゲーム性がなんとなくね。 まあ不満な点もありますが、ゲーム的に大きく破綻した所はないので、元々、小学生向けのゲームブックという意味ではちょうどいい感じの作品に仕上がっていると思います。
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