冒険記録日誌
DiaryINDEX|past|will
2008年07月20日(日) |
少年魔術師インディ3(井上尚美/双葉文庫) |
こんどのインディの冒険は、ハミ王国に嫁ぐフレイヤ姫のもとへ、師匠からの贈り物を届けるという、単なるお使い…のはずだったのですが、フレイヤ姫の嫁入りを妨害しようとする謎の勢力があらわれ、あれよあれよと、フレイヤ姫を無事にハミ王国に送り届けるボディガードになってしまうという、巻き込まれ型の展開となっています。 もっとも、今回の冒険はなんとなくのんびりしている印象です。それは敵の登場シーンが少ないこともあるし、フレイヤ姫の天然お嬢様気質の明るいキャラの影響もあるでしょう。2人と猫のミュアの一匹とのぶらり旅な気分で、町によっては名物の岩塩をいくつ買おうだの、ラクダをいくらで売ろうだの、観光パンフレットを見てみようだの、そんなことをしているうちに、ラスト近くまでいってしまいます。
最後こそはオドロオドロしい力と力の対決で、なかなか緊張感のあるシーンで物語をひき締めているのですが、作者自身があとがきで、今回は番外編と書いていただけあって、前2作と比べても気楽な気分で遊ぶことができる作品でした。しかし、最後の敵の娘が消息不明になっているところなんか、次回作へ向けての伏線のような匂いがプンプンします。作者も次回は、魔術師インディここが正念場!ってものにしたいと書いていましたし、続編を書く気はまんまんのようでした。 ゲームブックブームの終息がわりと急だったからでしょうか。後書きで続編を予告してそれきりのゲームブックシリーズは、結構多いのですが、ちょっとさみしいですね。
|