冒険記録日誌
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2003年02月18日(火) 鷹の探索(黒田幸弘/富士見書房) その2

あ〜少々取り乱しましたので、この先はプレイした感想を冷静に話しましょうかね。

一言で言うと、とっても手堅く良く出来たゲームブックです。
全体のストーリーだけでなく、文章にいたるまで真面目に書いている印象があります。
間違っても「クロちゃんのRPG千夜一夜」にあったような、悪ノリしたTRPGプレイヤー達が生み出した数々のバカ話みたいなのを想像してはいけません。
戦闘システムはオリジナルなもので、全体のゲームバランスもよくとれています。
道中で剣士と魔法使いが仲間になりますが(ならない場合もある)、各キャラクターも主人公と同じく能力値を設定する必要があります。特に剣士の方は主人公の町での行動しだいで、ノーマルな奴から老剣士、気さくな傭兵など仲間として出会う相手も様々です。中でも若い女剣士の“エイリン”はオススメ。冒険の舞台が女っけのない荒涼とした世界だから救われます。幡池裕行さんのイラストも可愛かったし。
他にも罠にはまったら一人一人が回避チェックを行うとか、魔物と会話を試みるときは全員が精神力チェックをして一人でも成功すればいいとか、TRPGのパーティプレイの様子を連想させるルールがクロちゃんらしいです。

この作品にあえて難を言えば、ゲームブック全体としては地味な印象で、目新しさに乏しいところでしょうか。
またせっかく神話と伝説から始まる壮大な世界観が最初に説明されていたのに、本編でほとんど使われていない設定もありました。
もしかすると、クロちゃんは同じ世界を舞台にした続編を考えていたのかもしれません。
もし本当にそうなら、かなり面白いシリーズになったと思うのですが、クロちゃん作のゲームブックがこれ一冊しかないというのは本当に残念です。


山口プリン |HomePage

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