冒険記録日誌
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2003年02月01日(土) |
ムサシの剣(スティーヴ・ペリ−/二見書房) |
「恐竜探検」、「海賊の秘宝」と続いたタイムマシン・アドベンチャーシリーズ最後の作品は昔の日本が舞台でした。 外国人作家が書いた日本ものというと、忍者が人間離れした強さだったり、中国文化と一緒になっていたり、全部和室の高層ビルがあったり、武士道に反した人間はすぐ切腹したりとか、妙な世界観を作っている作品を連想しますが、「ムサシの剣」は丁寧に日本の歴史を調べているのでその点はご安心を。 むしろ、日本酒は“米で作ったワイン”などと解説されているところとか、日本の予備知識のない人へ配慮された表現が面白いです。
今回の目的は、あの剣聖“宮本武蔵”の刀を手に入れる事。そのために主人公は350年前の日本を中心に宮本武蔵の生涯を追いかけながら、何度もタイムスリップします。 やはり選択誌を選んで行くだけのルールはシリーズ通して同じで、ゲームオーバーは存在しません。 間違った判断ばかりしていると、グルグル同じ所を読み返すようになるわけです。 ただ前のニ作品のように、いろんな歴史の場面に主人公が顔を覗かせるだけとは違い、主人公はなんとか宮本武蔵に接触して、彼の信頼を勝ち取ろうと悪戦苦闘する一つの物語になっていました。 ここで詳細は述べませんが、エンディングではしんみりとした感動を呼び起こします。 なんと言っても、今年のNHK大河ドラマは「宮本武蔵」。この本が最も面白く読める年ではないでしょうか。 ゲームブック初心者にも読みやすいので、宮本武蔵の生涯を楽しく学ぶ入門書として、普通の人にもお勧めしたい良書です。
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