冒険記録日誌
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2002年12月26日(木) |
ファイティング・ファンタジー(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) その2 |
TRPGと言ってもルールブックには、他にも“D&D”“T&T”“ソードワールド”などいくつもの種類があり、それぞれルールや世界観など内容が違うものです。 では“ファイティング・ファンタジー”とはどんなTRPGかと言うと、これがとんでもなく簡単かつアバウトなルールでデザインされているしろもの。 だいたい通常のTRPGでは、各キャラクターの能力値を6種類以上設定しています。これには、さらに魔法や鍵開け能力などの特殊技能、装備する武器の特徴まで細々とした説明が加わり、覚えることが非常に多くあるのです。これは自分の操るキャラクターに個性を出させる為で、力が弱いが手先が器用な奴とか、不器用だが魔法を使える奴など、特徴あるキャラクター達が、4〜5人程度の集団で冒険をするように計算している為でもあります。 他にも、剣一本が店ではいくらで売っているのか、何キロの荷物までなら持って移動できるかなど、冒険中に想定される実にいろんなシュチェーションに対応したルールが決められているのです。
それにくらべ“ファイティング・ファンタジー”は各キャラクターの能力値が、技量ポイント、体力ポイント、運勢ポイントの3つのみ。冒険者の職業も戦士のみで、魔法などの記述もありません。 キャラクターの所持品も初めから標準的な剣と鎧を備えている状態でスタート。他にわずか食料やランタンのみを携えている程度で、後は名前をつければキャラクター作りは完了してしまいます。 ゲーム中に使用するルールでも、戦闘の方法や運試しのシステム、食料を食べると体力が回復するとか、落下したときのダメージ計算などのみで、本当に少しだけしか書かれていません。 これは、このTRPGがソーサリーを始めとするゲームブックを発展させて作られたと言う背景にあります。言い方を変えれば、社会思想社や創元推理文庫などのゲームブックを読んだ経験がある人なら抵抗を感じずに楽しめる、最も易しいTRPG入門書とも言えるのです。
続く
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