冒険記録日誌
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2002年12月25日(水) |
ファイティング・ファンタジー(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) その1 |
本書はゲームブックではなく、TRPGの入門書兼ルールブックです。 TRPGって知ってますか?知らない人のために軽く説明しましょう。 ゲームブックが「ストーリーを自分で選択できる本」という言い方をするなら、TRPGは「会話によって物語を作っていくゲーム」といった内容のものです。 ゲームブックと違って一人ではゲームが成り立ちません。遊ぶには3〜7人くらい必要です。 具体的にどうするかと言えば、まず集まった人の中の一人が物語の進行役となります。これを“ゲームマスター”と言います。この役の人が予め物語の設定や、おおまかな物語のシナリオ(例えば“町を襲う海賊を退治する”など)を考えておくのです。 そして残りの人間はその物語の主人公として、どう行動するかを決める役となります。この役割が“プレイヤー”です。 ゲーム中はこの“ゲームマスター”と“プレイヤー達”の会話を中心に進行します。 その会話とは一例をあげれば下のような感じです。
ゲームマスター>>君たちはいま、汚い港町にいる。東西にのびる道を歩いているのは船員らしき男達ばかりだ。その中には看板に“旅の宿”と書かれた居酒屋に入っていく人間もいる。 プレイヤー>>ねぇマスター。東西の道の先はどうなっているの? ゲームマスター>>東は船着き場。西は寂れた様子の住宅街が見えるね。 プレイヤー>>じゃあ、とりあえず僕らは“旅の宿”に入ってみるよ。 ゲームマスター>>OK。君たちは居酒屋に入った。まだ昼間だと言うのに、中は酔っ払いですごい喧燥だ。テーブルもカウンターも空きはあるよ。 プレイヤー>>カウンターに座る。店主に酒を注文するよ。 ゲームマスター>>店主が話しかけてきた。「お客さん。よそ者だね。一年前のあの事件以来じゃ、めずらしいよ」 プレイヤー>>「一年前になにがあったんだい?」 ゲームマスター>>「お客さん、知らんのかね!こりゃ驚いた。なら説明してあげるが・・・・・・」
これがゲームブックだと、道端のシーンで「西へ行く。東へ行く。店に入る」など用意された選択肢の中から選ぶのみです。しかしこれがTRPGとなると道ゆく人に話しかけたり、店をもっとよく観察したりと自分の思ったとおりに行動できます。 例をあげると、
プレイヤー>>俺は道端で裸踊りを始めるよ。 ゲームマスター>>おい、本気か?まあいいや、君が踊りだすと町の人たちは騒然となった。しばらくすると東から町の警備隊がやってきた。 プレイヤー>>やや、しまった。捕まったら厄介そうだな。 他のプレイヤー>>(裸踊りとすると言ったプレイヤーに)バカなことやってるからだよ。マスター、俺たちは西の方へ逃げるよ。
と、こんな展開もありなのです。(ちょっと極端かな) まあこのようにTRPGの主人公は、ゲームマスターが臨機応変に対応することでゲームブックよりさらに自由度の高い行動がとれるわけです。 だいたい、どんな感じで進めるゲームかわかってもらえましたか? そしてTRPGのルールブックとは、プレイヤーが警備隊と喧嘩になったときに勝敗を決める方法とか、建物の2階から飛び降りたらどの程度の怪我をするかなど、そういった判断基準をルール化したものなのです。
続く
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