冒険記録日誌
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2002年12月22日(日) 王たちの冠(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) 冒険15日目─3ページ目

ちくしょう!罠だ。くそっ、大魔王は目の前だと言うのに。
部屋の扉は閉まってびくともしない。床がせり上がって頭上の天井がみるみるせまって来る。
思えば部屋に入ったとき壁一面に細かい擦り傷があったのを、不審に思わなかったのはうかつだった。
だが後悔してももう遅い!あと十数秒でペシャンコになってしまう!
苦肉の策にコレタスに祝福してもらった槍を取り出して床に立ててみる。
衛兵など一撃で葬り去るような魔法の槍だ。これなら床を止められるかもしれない。
すぐに穂先が天井にガキッ、と当たった。
大丈夫か・・・・・・槍は大きくしなると、そのまま折れてしまった!もう駄目だ!

天井までもう数十センチ。観念して目をつむったとき、床の上昇は止まった。
目を開けると部屋は書斎のような一室に変わっていた。机に誰かいる。
「罠にかかったのは何者だ?そうか、アナランド人だな」
こちらに向って腰掛けている男が、嘲るような笑顔でそう言い放った。
こいつが大魔王だ。奴にからかわれたのだ。
頭に血がのぼった俺はすぐに剣を抜いて男にせまった。
「そんなバターナイフで俺を殺せると思うのか?」
男はそう言い放つと両腕を動かす。同時に俺の剣が手から勝手に飛び出すではないか。
「それ、次はロープだ」
ロープが蛇のように宙を浮き、こちらに飛び掛る。たちまち縛られてしまった。
惨めだ。大魔王の呼んだ衛兵に引っ立てられ、俺は牢の中に閉じ込められてしまったのだ。


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