冒険記録日誌
DiaryINDEX|past|will
2002年12月17日(火) |
七匹の大蛇(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) 冒険13日目─1ページ目 |
朝一番でイルクララ湖のほとりに俺は立って呼び子を吹いた。 あれ?音がしない。何度も吹いてみたが同じだった。 「わかったわかった、そうせかしなさんなって」 声のした方を見ると、藪の中から見るからに不潔そうな渡し守がやってきた。 ちゃんと聞こえていたらしい。 それにしてもこの男、こんなところで商売をして、一体どこで金を使うのだろう?まあ俺にはどうでもよいことだが。 言い値どおりに金貨4枚を前金で払うと、渡し守は藪から船を引きずり出してきて水におろした。 「手伝わんかい、このドアホ!さっさと漕ぐんだ」 なぜか急に渡し守の態度は、けんか腰になっていた。 金を払って、この扱いはない。俺も少々腹が立ったので、脅してやろうと剣を手にかける。 そのとき渡し守の体が船に崩れ落ちた。びっくりして見ていると、ガスが体から抜け出していくのが見えた。 ガスは渦をまきながら翼の生えた蛇となっていく。気の蛇だ。 しかし次の瞬間、俺は落ち着きを取り戻す。シャドラックに気の蛇の対処法は聞いてあったのだ。 俺が蛇の抜け殻を見つけ出して、ビリビリに引き千切ると気の蛇は悲鳴をあげながら消えていった。これで2匹目だ。
俺は一人で船を出して、ゆっくりと湖の中ををこぎ進めた。 このときピンチが訪れた。水面が泡立ったかと思うと、湖の中から水でできた翼ある蛇が襲ってきたのだ。 このとき水の蛇の弱点である油を俺は持っていなかった。 そうなったら水の体に武器攻撃が有効であることを祈るしかない。 俺は剣を抜き放ち、大きく斬りつけていった。幸いにして七匹の大蛇の中では、水の蛇は弱い部類らしい。何度も体を分断するように叩き割ってやる。水の蛇は何度目かの攻撃で力を失ったのか、水しぶきとなって消滅し湖に戻っていった。
再び船をこぎ始めると、今度は何事もなく向こう岸についた。 今日は休む暇もない。このまま湖周辺の沼地を横断して先へ進まなければいけないのだ。
|