冒険記録日誌
DiaryINDEX|past|will
2002年12月16日(月) |
七匹の大蛇(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) 冒険12日目 |
森の小道を横切る小さな赤い蛇に出会った。 蛇は俺の目の前でするすると一本の木を登っていく。 この蛇が妙に気になった俺は、この木に登ろうと枝に手をかける。するといきなり視界が黄色くなった。 思わずわめき声を上げながら、俺は木から転げ落ちた。唐突に発生した炎に包まれて火傷をしてしまったのだ。 木を見上げると、青々としていた木は黒焦げになっており、てっぺんには翼をもった大蛇が、こちらを見つめている。 ついに出たぞ。こいつは火の蛇だ。 しばらく睨み合う、俺と蛇。 まともに戦ったら強敵だ。なにか弱点はないだろうか。俺は視線を逸らさずに背負い袋の中をまさぐった。 あるものが手に触れる。これか。バクチだが奴に効くかどうか試してみよう。 そして俺はもう一度慎重に蛇の待ち構える木を登り出す。 火の蛇が跳ねて地面に落ちた。今度は木の下から俺をバーベキューにするつもりらしい。 俺も素早く飛び降りて再び睨み合う。焦れてきたのか蛇は翼を広げて威嚇してきた。 しかしそれこそ俺の狙った瞬間だった。カーレで手に入れた砂の入った瓶をとりだして、蛇に中味を振りまけたのだ。 悲鳴が聞こえ、蛇は最初の小さな姿に戻った。うまくいったぞ。 素早く躍り掛かった俺は、剣で蛇の体を真っ二つにした。まずは一匹目だ。
森の中を抜ける途中、フェネストラというブラックエルフの魔女に出会った。 縁があるのか今回の旅は本当に魔女とよく出会う。 彼女は警戒しているようだったが、七匹の大蛇の弱点を教えてくれた。 陽の蛇は水に弱く、水の蛇は油に弱い。 そしてやはり火の蛇は砂に弱かったらしい。俺のカンもたいしたものだ。 さらに彼女はこの先のイルクララ湖で渡し守を呼ぶ“呼び子”を俺にくれた。礼を言っていとまを告げる。 イルクララ湖はもう目の前だ。
|