冒険記録日誌
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2002年12月11日(水) 城塞都市カーレ(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) 冒険9日目─1ページ目

まだ午前中だが、また牢に入れられて暇だから日記を書く。
いやなに鍵は開いていてもういつでも脱走できるが、用心のため門番が眠るまで待っているのさ。

今朝、宿屋の一室で目が覚めると、頭の上にギロチンの刃が見えた。それに体はベットに皮紐で縛り付けられている。
そばで宿屋の主人が笑っていた。
見ると左手にロープが結わえてあり、そのロープはギアで作られた複雑な機械につながっている。
手首を抜くか引っ張るかのどちらかで、ギロチンが引き上げられるか落ちるかが、すなわち俺の生死が決まるようだ。
この危険過ぎるゲームになんとか勝った俺は、急いで宿屋を出て、ハーバーブリッジを渡る。
俺が、一瞬でもカーレをそう悪くない街だと思った昨日の自分を激しく呪ったのは、言うまでもない。

このあともひどい目にあった。レッドアイという種族が住む区画に入ったとき、奴等になんくせをつけられて牢に閉じ込められたのだ。
さらに先客の小さな妖精──シャムタンティの丘で迷惑した連中の種族だ──の話しによると、この牢に入れられると当分釈放は見込めそうにないという。
どうにも手詰まりだ。しかたがなく最後の手段として、俺はリーブラ様に祈った。
その願いは聞き届けられたらしく、カチッと音がして牢の鍵は開いたのだ。
やれやれ、これで当分女神の助力は仰げないだろうな。


山口プリン |HomePage

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