冒険記録日誌
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2002年12月08日(日) |
魔法使いの丘(スティーブ・ジャクソン/創元推理文庫) 冒険6日目─2ページ目 |
マンティコアの恐るべき強さは、戦い始めて直ぐにわかった。 見たところマンティコアの技量は12ポイントで、さらに猛毒の尻尾による致命傷の可能性すらある。 対する俺の技量は、装備による修正を含めても10ポイントしかない。体力も万全ではない。 この世界に生きるものなら、いかに絶望的に不利な戦いであるかがわかるだろう。 しかし生き残る為には勝つしかないのだ。
俺は夢中で剣を2度3度と振り下ろす。力量の差にもかかわらず最初から2回連続でマンティコアを切り裂いた。 傷を深めようと運試しをするとこれも連続で成功。一気にマンティコアの体力を半分近く削り取った。 しかし、ここでマンティコアの尻尾が振りかぶって、かわす暇もなく2度も俺に突き刺さる。 幸い毒には侵されなかった。 これでこの戦いで4度目の幸運だが、少々運に頼りすぎたようだ。次からの幸運はもう期待できないだろう。
その後は、お互いに剣と爪で引っ掻きあう小競り合いが続く。だが、俺の攻撃がなかなか当たらないのに対して、マンティコアの方は確実に俺を傷つけてくる。 もうだめだ。俺は必死に正義の女神リーブラに祈った。 ───まだ負けられない。おれには使命があるんだ。リーブラ様、俺に助けを! そう心で叫ぶと同時に奇跡はおこった。疲れと傷が潮を引くように消えていったのだ。 女神が願いを聞き届けてくれたらしい。 おれは必死に戦った。毒を一度くらい、新たな傷を負いながらもマンティコアの体力を着実に削っていく。 それは、俺にも滅多に経験のない死闘となった。
そしてお互いの体力が1ポイントまで減って、あと一撃で勝敗が決まるとき。 マンティコアは恐ろしい勢い(サイコロの目が9)で突進してきた。 もう駄目だ!(こちらがサイコロで11以上の目を出さないと死亡だから) 俺は夢中で一撃を繰り出すと、(サイコロの目は、なんと12!)剣はマンティコアの顔を貫いた。 力の抜けたマンティコアの死体から、剣を抜いて俺はホッと安堵の息をついた。
娘と共にスヴィンの村に帰った俺は、村の大歓迎を受けた。 傷の手当てを受けながら、今日だけはゆっくり休もうと心に決める。 この先の冒険はさらに危険が待ち受けているのだから。
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