冒険記録日誌
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2002年10月16日(水) イセンガルドの密偵(テリー・K・アムサー/ボビージャパン) その9

(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないで下さい)

 薄暗くなった農家跡を心細い思いで待っていると、農家の奥から女の人の話し声が聞こえてきた。
 不審に思った私は家を良く見たが、農家の中は相変わらず明かりも無く、また声も聞こえない静かな空間に戻っていた。
 思い切って奥に足を踏み入れると、今度は歌声が聞こえる。その声には妙に現実感に欠けていた。
 そしてそこに、テーブルを囲む一家の姿が見えた気がした。
 かつてこの農家跡に住んでいた人々だろうか。
 「かなしいことだね」
 突然のしっかりした声に、私は飛び上がる。
 剣を持って振り返るとそこにはエルフがいた。
 「おっと乱暴はよせ。私はカニエル。君は私と会う為にここに来たのだろ?」
 「ごめんなさいカニエルさん。しかし、かなしいって?」
 「心の曲がりはじめたサルマンは、ここらの農民達を追い出した。そして反対したこの一家は見せしめに殺されたのさ。彼らの魂は永遠にこの家に閉じ込められてしまった」
 エルフの澄み切った声で語られる短い物語に、私はぼぅと聞き入っていた。
 ふと我に返った私は、サルマンが白の会議を裏切っていることを説明した。
 「奥方がご心配されたとおりだ。さあ君をローリエンまで送り届けてあげよう」
 私はエルフの案内に付き従うことに決めた。
 このあと一度だけオークが襲ってきたが、エルフと私は難なく打ち倒した。
 私はついに追っ手を引き離し、サルマンの手を逃れることができた。そしてエルフの女王ガラドリエルの国、不可思議な黄金の森に入ったのだった。


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 日記での冒険談はここで終了。
 このあとは目隠しをされてローリエンに入った後に、ガラドリエルと会見するシ−ンでエンディングとなりました。
 今回は簡易ルールだったうえ、サイコロ運と選択肢が良かったのか、簡単にクリアできてしまってます。
 戦闘シーンも終盤のオークとの一戦だけでしたしね。
 しかしまだまだ見ていないイベントも多く残っているのです。パラパラと見た感じには、サルマンと直接対決するシーンや、牢獄から脱獄するシーンなどもありました。
 全体に原作の指輪物語を一読していないと意味がわからないような部分も多いのですが、描写も細かく指輪物語の設定も忠実に守っているので大変面白い一冊です。
 ただ残念ながらこのゲームブックは特に入手困難な部類に入ります。
 読んでみたい人は復刊を希望してみてはいかがでしょう?

「イセンガルドの密偵」他、指輪物語ゲームブック全3巻
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