冒険記録日誌
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2002年10月13日(日) |
イセンガルドの密偵(テリー・K・アムサー/ボビージャパン) その6 |
(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないで下さい)
パランティアは直径30センチメートルほどの水晶球だった。 学んだことを思い出すと、パランティアはこの世に数箇所しか存在しない。 アモン・スール、アンヌーンミナス、塔の丘、ミナス・ティリス、オスギリアス、ミナス・イシル。 最後の2つは紛失したと聞いている。これは世界でも貴重な一つなのだ。 そんな宝を目にして興奮したのか、私は少々理性を失っていた。 選択(肢)の余地もなく、私は椅子に腰掛けてその水晶球を見つめ、触ってしまう。 するとパランティアが輝き始めた。(技能チェック)
過去の光景が水晶に見える。 「我々は自衛せねばならん。冥王との戦いで良くない方向に動くことは間違いないからな」 サルマンの指示でイセンガルドの木々は切り倒されていく。 あの時、イセンガルドの自然が失われるのは悲しかったが、師匠の深い考えあっての事では仕方ないと思っていた。 そんな感傷にはおかまいなく水晶の光景は動き始める。その映像はゴンドールの地まで移動し、ミナス・ティリスを越え、モルドールの境までやってきた。 その光景を眺めながら恐怖につままれた気持ちで、私は今までの知識を総動員して考え始めた。 あの指輪の幽鬼どもが、ミナス・ティリスを襲ったとき、その地のパランティアはどうなったのか。パランティアはそもそも何の役割をもっていたのか。 導き出した結論に悪寒に見舞われたが、目は水晶球から離れられない。 光景はモルドール内部に入り込み、巨大で荒廃した塔が見えてくる。 そこでついに“彼”は私に声をかけた。 「知らせか、サルマン。白の会議が今度は何をするのだ」
(技能チェック、ここでサイコロは最良の12!) 一瞬の間があく。“彼”の声が響く。 「きさま、誰だ」 今まで以上の耐えがたい悪寒が襲う。彼、サウロンが私の心を探っているのだ! 不可能と思いながらも、私は精一杯の抵抗を続けた。 「・・・きさまと遊んでいる暇はなくなった。惨めな死すべきものよ。主人に伝えておけ。余が白の会議の様子を知りたがっているとな!」 そういい残して、サウロンは消えた。 私はその幸運に喜ぶ気力もない。よろめきながら部屋を出て屋上に向う。 無人の屋上で外気にあたりながら、気を落ち着けることにした。 間違いない。サルマンはサウロンとつながっていた。 もはや一刻も早く、この事実をガラドリエルに知らせなければならない。
続く
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