冒険記録日誌
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2002年04月23日(火) モンスター誕生(社会思想社)

これクリアしてません。ごめんなさい。
でもインパクト一番の作品なんで紹介したかったの。
だって本書はモンスターが主人公なんです。いや、以前取り上げた「モンスターの逆襲」もそうなんですけど、方向性は全然違う。
まず最初に、ストーリー背景の設定がコリコリに凝られて書かれています。
あの「指輪物語」の冒頭に「ボビットの冒険」の事を解説しているがあんなイメージ。
(さすがにあれほどのページは割いていないが、その分読みやすい)
スタートするといきなり迷宮で記憶喪失のゴツイモンスター登場。つまり自分。
驚愕なことに、こいつ自分の思い通りに動かねぇ。
道を選ぶのになんでサイコロがいるんだ?なんで運試しに成功しないと考え通りに行動できないんだ?
ボビット見たら無条件に襲って食べちゃうし。
わけわからんうちに、エルフからプスプス矢で射殺されておしまい。
ほとんど運任せなままにです。

でもね、あるキッカケで知恵がついてくるんです。
言葉もわかるようになるんだけど。
少しずつ思い通りに動くようになっていく過程がいい。
やっとの思いで外の世界にでると、薄紙がはがれていくように冒頭のストーリー背景とつながっていく。
しかし、さぁ俺は誰なんだ。と言うところから進んでいません。
戦闘は即死攻撃ができたりと肉体的にほぼ無敵なんですが、序盤の地下迷宮を脱出するのも並みのゲームブックより難しい。
「死のワナの地下迷宮」で言った欠点をもっと凶悪にしたゲームシステムで、はまりの連続です。
クリアできないのは残念なんですが、ずるしてちょっと先を見ちゃいました。
その結論。これは映画化しても良いくらい、完成されたストーリーです。
単なる難しいゲームブックじゃない。小説としても皆さんに読んでいただきたい逸品。

*いかに本書が難しいかを、取り上げているサイトがあります。面白いのでぜひ見ましょう。絶対オススメ。
化夢宇留仁の異常な愛情
http://www.luice.or.jp/~kemkem/tobira.html
何人死んだら気が済むの!?
http://www.luice.or.jp/~kemkem/kegames/FFS/nanninsindara/nanninsindara.htm


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