冒険記録日誌
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2002年03月24日(日) 巨大コンピュータの謎(創元推理文庫)

ある作品を違うジャンルで扱っていたのを見て、好きになる現象ってありますよね。
映画を見てハリーポッターの本を読み始めた人。
アニメを見てポケモンのゲームを始めた人も多いことでしょう。
ゲームブックにも、同じ現象はあります。
私の場合、デュマレストゲームブックがそれです。

原作小説、デュマレスト・サーガのストーリーを説明しておきます。
宇宙全体に人間が繁栄したはるか未来。
生まれ故郷の惑星に帰りたいと願い、その座標を探す男がいた。
名はアールデュマレスト。故郷はアース(地球)と呼ぶ。
しかし人々にとって、アースはもはやおとぎ話しの存在でしかなかった・・・。

いいですねぇ。ロマンがあります。
SF物といっても、巨大ロボットや宇宙艦隊は登場しません。
ナイフ一本を武器にさすらい人となって、旅客宇宙船で旅するのです。
この「巨大コンピュータの謎」も、ある情報惑星に主人公のデュマレストがたどり着くところから始まります。
しかし、アースの情報料は予想以上に高い。なんとかして金を稼ぐ必要がある。
ここからが、面白いところですが、その方法は一つじゃない。
腕に自信があれば、闘技場。運試しに、カジノ。情報収集すれば、じいさんと宝探しにいく展開もあります。
もしくは、宝さがしの軍資金あつめに他の手段を選んだり、自由度は高いです。
やがて、デュマレストは誘拐事件に遭遇。
女の子がさらわれたか、誘拐を防いだかで、ストーリーは分かれてしまいます。
ちなみに女の子シャラナは、イラスト効果もあって当時から、読者にかわいいと評判でした。
判断ミスをすると、一瞬でゲームオーバーにもなる厳しい調査を越え、犯人をつきとめる。
そしてそのさらに奥に隠された、サイバーの野望を阻んで行く展開は、まさにデュマレスト・サーガ。
原作を知らずとも、シティアドベンチャーゲームブックとして楽しめます。
このタイプは意外と数がないので、本書はその貴重な一冊でしょう。

このゲームブックの後書きでは、本書がストーリー的には、小説の1・2巻の間だと書かれています。
確かにまだ宿敵サイバーには、本格的に狙われていません。
しかし、ずっと後でわかるはずの、地球に関する情報が判明し過ぎていると思います。
これはもう小説版とは別。もう一つのデュマレストサーガだと考えた方が、素直です。
ちなみに小説の方は、ゲームブックより先に絶版になっていて、全巻そろえるのに非常に苦労しました。
原作のことをもっと知りたい方は、勝野知徳様のサイトへ行くことをオススメします。
宇宙友愛協会
http://www26.freeweb.ne.jp/novel/mgfcom/index.html


次回は惑星不時着(たぶん)


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