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■ ロウ・パワー
実家の祖母を病院に連れて行った。 10日ほど前、何かの拍子で身体をひねったとかで、杖なしでは歩けなくなった。家の中でも杖をついて移動している。それでにわかに介護保険云々という話が持ち上がり、まずは総合病院の相談窓口に行ってみようということになったのだ。 最初は父が同行して相談に乗ってもらう予定だったが、たまたま私が話の場にいたので行くことを申し出た。今は同居しているわけでもない私が行くのは差し出がましいが(人が多ければいいというものではなく、場合によっては多いほど話はややこしくなるというもの)、父が行くといきなり極端な物言いをしそうでちょっと不安に感じたのだった。これは父の性格で、こういう性格を私は嫌いでないし慣れてもいるが、万人向けであるとは言いがたい。ましてや先方とは初対面である。それでワンクッションおいて孫が同伴しようというわけ。 相談の結果、整形外科で見てもらった方がよさそうだということになった。 これが先週の話。
今日、整形外科で見てもらった。母も仕事を抜けて出てきた。 祖母の腰部レントゲン写真を見て、骨ってずいぶんぼんやりしているんだなあ、と思った。骨がぼんやりしているのではなくて、祖母の骨がかなりスカスカになっているので白くくっきり見えないだけだ。お医者さん曰く、「いつつぶれてもおかしくはない」ということ。 祖母の腰痛は骨ではなく筋肉から来ているらしい。骨では支えきれない負担が筋肉の方に回ったということのようだ。
その他いろいろあるんだけど省略。
人が年を取るということを学んでいる。 一方で忘れてはならないのは、祖母が、自身にとっては現在進行形の、進んだことのない道を進んでいる(いくらかつて私の曾祖父を看取ったとはいえ)という認識だ。当事者でない者が簡単に俯瞰してはいけない(もちろん客体化も大事だけど)。 いつか私の、りー氏の両親も年を取る。その頃の世の中で「年を取る」ということがどんな状態を意味するのか、想像できない。楽観的でない意味で、今とは違うだろうということを思うだけだ。 そして私たちも年をとる。ここはまだリアリティがない。更に想像できない。
孫に出来ること、一緒に暮らしていない者が出来ることがあるのではないかと思う。時によっては、父や母と同じ視線に立つ必要はないだろうとも思う。 私はよく、お金か時間を割いてくれる人の言うことしか聞かなーい、とうそぶくのだけど(本当に聞いているのか?)−−当事者でもないのに勝手にあれこれ口だけ出すなということなんだけど−−私が提供できるのは時間かなと思う。 これって子が育つ時と同じなのかも。上の数行の「孫」を「祖父母」に変えてみることができるかもしれない。「親」は、猫の親しかやったことがない(しかもわずか1ヶ月。人間に換算すると保育園児から小学生まで)のでわからないけれど、でも子なら32年間やっている。
いつか親になる日が来たとして、祖父母(とは私たちの両親だが)が甘々なことにムッときたりするんだろうなあ。子の側からするとありがたかったんだけど。 ものは言いようものは言いよう(呪文)。
それでもし私が祖母に何か出来るとして、それはかつて祖母が私(たち)にしてくれたこと(と似たようなこと)を、今してあげているだけなんだろうと思う。
ちなみに外科的な部分は弱ってきているが、幸い頭と内臓は元気な祖母@のいのともだち83歳。
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ヘナで染めているという母の髪の色、明るすぎるよ、と言ったら、「みんみんの髪の色、黒すぎるぅ〜」と言われた。……今はまた黒髪なんだってば、と応酬する私も大人げない。 保育士はミーハー(でないとやっていけない)、というのが私の持論。
それはともかく、親の心子知らず、かも、と思った今日。 自己反省の意で。
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病院で母の知り合いのおじ(い)さんに会った。 趣味でうさぎを育てていて(現在ご自宅には40匹)、学校や保育園幼稚園などに寄付していらっしゃるそうだ。母の勤務先にも数匹いるらしい。 昔は料理人だったという、ちょっとくろうとさんっぽい感じの洒落た雰囲気の方で、なんだか知らないがえらく器用な人のようだだった。ひよこの雌雄は見分けるのが難しいというが、この方はお手の物らしく、それどころか卵で見分けることが出来るとか(本当か?)。その他、経験に基づく豆知識みたいなのがいろいろ口をついて出て、5分10分ほどのあいだに、
半分食べ残したりんごの切り口を赤くしない方法。断面にティッシュペーパーを2枚ほど貼り付け、そのままぴったり面を皿に伏せるなどして密着させておく。 水溶き片栗粉を固まらせない方法。水と片栗粉に砂糖を少し加える。使うときに固まらない。 卵を立てる方法。アジシオをひとつまみ、台の代わりにすると立つ。茹で卵でも生卵でも。 あと2つあったんだけど失念。
の伝授を受けた。 母曰く、子供を授かる方法ってのもあるとか。
2004年02月16日(月)
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