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■ 信心
仕事を終えて建物の外に出ると、くさむらで子猫が2匹重なって眠っていた。そしてそれを見ている女性ひとり。ここに猫好きの方がいらっしゃるということは知っていたが、もしかして、とお尋ねしたらその人であることがわかった。 いつだったか私が駐車場で出会った黒猫さんは、いま、その方の家にいるらしい。
実家に行く。 祖母に西本願寺みやげ(下がり藤の和三盆らくがんとパンフレット)を渡したらとても喜んでくれた。以前、近所の皆さんと講をつくってお参りした時のことなどを懐かしがっていた。 売店で買おうと思ったしおりのことを話していたら、家に何枚かあるから好きなのを持っていったらいいと言ってくれた。これはお寺の法事などでお坊さんがばらまくのだそうだ。「蓮の花」と呼んでいたように思うが、なるほどしおりは蓮の花弁のようなアーモンド型をしている。 りー実家は浄土宗で(でもお経はまだ聞いたことがないけどね)、りー母さんの実家は曹洞宗なんだよ、珍しいやろ、という話をしていたのだけれど、昔、祖母が若い頃、行儀見習いで行っていたお家も曹洞宗だったらしい。 祖母は若い頃、看護学校に通った後、派遣看護婦としてその家のおばあちゃんにずっと付いていたそうなのだが、そのおばあちゃんという人がたいそう信心深い人で、祖母もお付き合いでしばしばお寺に行ったり、お経を聴く機会があったそうだ。そしてつくづくと、 「曹洞宗のお経っちゃ(=というものは)おごそかでねー、本当にありがたーなって(=ありがたい気持になって)、はあー!(と、情感をこめる)いう気持になったわねえ。町(派遣先)から田舎に帰ってきたら、浄土真宗の法事はガチャガチャうるさいと思ったもんやちゃ」 と言ったのであった。 あ、やっぱりばあちゃんもそう思った? 「思(おも)た(=思った)ねえ」 なんかさー、浄土真宗のお葬式って、お経もあっさり終わってすぐに説教になるよねえ。それに比べると曹洞宗って念入りで、格好もかっこいいよねえ。真宗はキンキンキラキラで派手だけど(まあだから田舎ウケするんだろうけど)、曹洞宗はしぶいもんねえ。 「『かっこいい』ってあれだけど、まあ、そうやねえ」
私は祖母のこういうところが好きだ。
この人は昔、私が、この先どうしたらいいんだ、と絶望的な気持になったとき(当時10代)、思わず、尼さんになってやるー、と言ったら、アッハッハッハ、と大笑いして、 「人間ちゃ(=人間って)、せっぱつまったら、おなじようなこと考えるもんやねー」 と言ったこともあった。
そんな祖母も今では、きみょーむりょーじゅにょーらーい(以下続く)、と毎日正信偈を唱えているとのこと。
りー氏疲労困憊の体で帰宅。 食欲がないと言う(仕事が立てこんでくると食欲がなくなります。>りー氏)。うなぎあるよ、と言ったら、うなぎなら食べる、と言う。 「だらはどうしとった」(『だら』はどうしていた?) だら(=あほ、ばか)とはのいのことである。 だらはねー、トイレに行こうとしたらダッシュしてきたね。そして閉めたドアを外から一応がさがさやって、そのあとゴロン(と横になること。「あそんで」のサイン)してたね。
家の裏手の方に車が走っていったのを見て、祖母が、「お母さんの車かな、帰って来られたかな」と言った。のいが走ってきたらそうなんじゃない、と答えたら、しばらくして居間の方からダーッと走ってきて、勝手口のドアの前に待機していた。 何を根拠に知るんでしょうか。母の到着を。 母の帰りが遅いと足首を噛んだりして大変らしい。すげーわかりやすいやつ。
2003年07月08日(火)
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