酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年09月22日(土) 『退職刑事』 永瀬隼介

 刑事とか先生とか、その昔、聖職と言うイメージだった。それが昨今では聖なるイメージは地に墜ちている。そういう立場にある人のスキャンダルは人の目を引き、叩きやすいから気の毒と言えば気の毒。特に警察の不祥事は世界一安全な国という神話すら自分の手で崩してしまっている。すごく残念。
 この『退職刑事』は様々な理由で退職した元刑事たちの物語。人間臭くてやりきれないものが多かった。なんだか胸に痛かった〜。やるせないなぁ。一番面白かったのは「神隠しの夜に」だった。日本独特の背景と事件。あったかもしれない事件だ。悲しい事件。真相を知らずにいたほうがいいこともあるように思ってしまった。

「生徒たちが、都会からやってくるホラー映画や怪談話に盛り上がっているのを見ると、背中を押してやりたくなりますよ。周りの山へ行ってみたらいい。生身の人間による怖い話がいっぱい転がっているから、と」

『退職刑事』 2007.8.10. 永瀬隼介 文藝春秋



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