酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年09月17日(月) 『禍家(まがや)』 三津田信三 

 貢太郎は事故で両親を亡くし、祖母に連れられ引っ越してきた。この町は初めてのはずなのに何故だか知っている気がするのは何故だろう。なにか異様なオーラを放つ森、そして初めて会ったはずのお爺さんに言われたのだった。「ぼうず、おかえり・・・・・・」と。混乱する貢太郎を待っていたのは貢太郎がひとりになると怪異の起こる家だった・・・!?

 怖い目に遭いたい訳ではないのだケレドモ、ホラーな世界には何故だかものすごく惹かれてしまう。でもなかなか満足する怖さにはお目にかかれない。そんな不満の中で読んだ『禍家』は優れものだと思った。最初からセピア色した懐かしい怖さ満載で。主人公が理不尽な目に遭うことがホラーの王道なのかもしれないなぁ。貢太郎は頑張ったよー。

 しかし、ここにあるのは、救いようのない絶望、理不尽なまでの優越、底無しの悪意、圧倒的な狂気、身の毛もよだつ憎悪、あまりにも身勝手な殺意・・・・・・。

『禍家』 2007.7.20. 三津田信三 光文社文庫



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