酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年09月04日(火) 『球形の季節』 恩田陸

 新しい本を読むにはパワー不足。そんな時にはいつだって身体と心に馴染んでいる本を読む。だいたい陸ちゃんになるんだよなぁ。無人島に何か一冊・・・なんて話題によくなるケレドモ、私は陸ちゃんの本を選ぶ気がする。
 そんな訳で久しぶりに『球形の季節』を読んだ。これも何度読んだことやら。陸ちゃん御得意の不思議な土地モノ。これが小夜子に続く2冊目だってんだからヤッパリその才たるやスゴイ。ラストの落ちの「えっ、だからどうなるの!?」感がたまらないんだよね。綺麗に落ちをつけるでなく、物語は終らないって気を持たせるところがいいんだよねぇ。
 土地が持つ不思議ってのは人間の根源的な感覚なのではなかろうか。近づいてはいけない場所とか、なにか起こる場所とか、聖なる場所とか・・・人知を超えた存在だものなぁ。人間以前からそこにあるのだもの。
 あ、本の内容に触れてないや。ま、いっか(笑)。オススメv

 しかし、明け方というのはまた別の不安がある。何かいけないものを見ているような罪悪感が、息をひそめてじっとしていなくてはならないような緊張感が、ああまた一日が始まってしまったという不思議な後悔がある。

『球形の季節』 恩田陸 新潮文庫



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