酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年05月14日(月) 『桂昌院 藤原宗子』 竹田真砂子

 テレビで<大奥>シリーズを見てから、大奥な女達に魅せられた。激しく獰猛に生き抜いた女達に。春日の局についてはあれこれ読むことが出来てずいぶんと知ることができ、気になっていた桂昌院の生涯の物語を読めた。ううむぅものすごくパワー溢れる女性だったのだなぁ。烈女という存在はいつの時代にもいたのだなぁと感慨深かった。母のコンプレックスを聞いて育った少女が女を武器にのし上がっていく。のし上がって行くうちに高貴な女性を妬み嫉み、そして最後の最後に・・・と。生まれ育った環境というものは選べない。その生まれついての差別についてかなり考えてしまった。それでも人は生きていく過程で自分なりに美しく生きることができるはずだ。私はそう思うな。

「嫉妬(へんぬし)や、玉はもう長いこと男はんに相手してもろうてないよって、うちのこと羨ましいてならんのやろ。そや、玉も、そろそろ女子の終りやよって、それで気ィが立ってるのやな。そんな時はな、かえって男はんに可愛がってもらうが薬やよ。うちもな、丁度その頃、太郎はんがいてくれたよって上手に境を越えました。境を越えたらなあ、盛りが戻りましてん。老い知らずや。なあ、うち若いやろ?太郎はんのお蔭やで。いくつになっても女子は女子でおらんといかんよ

『桂昌院 藤原宗子』 2007.3.30. 竹田真砂子 集英社



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