酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年10月02日(月) |
『新宿鮫�掘〇嗟�』 大沢在昌 |
藤崎綾香は美しき女実業家。エステサロンで女性の美を磨き、己も若く美しい女王として君臨している。その彼女が特別に美しく装い行く先は病院。そこには彼女の戸籍上の姉あかねが植物状態のまま眠っている。蘭の花で病室をいっぱい埋め尽くし、綾香はあかねに語りかける。そして綾香にはふたりのガーディアンがいた。ひとりは辞め刑事(でか)光塚、ひとりは看護士・ふみ枝。綾香の成功の光りと影はこのふたりがいればこそだった。美しき女王の光りの影にある甘く腐った犯罪の匂い、鮫島は事件を探り、トンデモナイ真相に辿り着く・・・!?
新宿鮫と言えばイコール派手なアクションってイメージがあります。1作目、2作目とドンパチアクション大爆裂でハードボイルド男の世界いけいけドンドンできたものが、この3作目でガラリと様変わり。この舞台転換の潔い妙が大沢親分うまいなぁと感心することしきり。そう、この3作目屍蘭は不気味テイストなのです。愛する娘のために人をばかばか殺してしまう看護士のおばちゃんは異常者だし、その娘は過去ゆえに病んでいて赤ちゃんを臓器売買しちゃう神経になっている、表の顔エステサロンでじゅうぶん潤っていると言うのに。今回は主役は女たちで男はたじたじめろめろだったりしています。全ては綾香の過去から始まっているのですケレドモ、綾香が過去を乗り越えられなかった悲しさみたいなものが物語り全体に翳を落とし、甘い腐敗臭が漂っています。次の4作目で大沢親分は直木賞を受賞されるわけですが、この3作目があればこそって気がするのですよね。あ、そうそう。映画では鮫役を真田広之さんが一番最初に演られたとか。舘さんよりは鮫のイメージに近いですね。鮫は髪型がポイントだから。襟足が長くないとイケナイのですもの。
戦いたかった。なんとしても、己れの誇りと幸福のために戦いたかった。
『新宿鮫�掘〇嗟�』 大沢在昌 光文社カッパノベルス
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