酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2005年08月27日(土) 『犬はどこだ』 米澤穂信

 25歳の紺屋は、<紺屋S&R>という‘犬探し専門’の調査事務所を開いた。しかしやってくる客は人探しに古文書解読と想定外。押しかけ探偵志望のハンペーと別々に捜査を始めるが、事件が微妙にリンクしてきて・・・?

 主人公の紺屋は、順風満帆だったはずの仕事を想定外のどうしようもない理由で辞め、無気力になってしまいます。その彼をとりあえず表の世界へ出るように薦めてくれた、ネット仲間の《GEN》。(※紺屋は《白袴》という皮肉なハンドル) 紺屋を心配して客を斡旋してくれる友人の大南。押しかけ探偵になる剣道部後輩のハンペー。口は悪いが頼りになる妹・・・、と登場人物の人間模様が非常に温かく優しい気持ちにさせてくれました。そして真逆な事件の真相の禍々しさがナカナカよかったです。これぞ人間の光と影と言うか。
 紺屋が、仕事を辞める原因になったことと言うのが、たまたま今の自分に重なるものを感じ、感情移入をいっぱいしちゃいました。どうやらシリーズ化らしいので、紺屋が次もまた「犬はどこだ」とぶつぶつ言うのを楽しみに待つことにします。

「こいつは貸しとくぜ、ボス!」

『犬はどこだ』 2005.7.25. 米澤穂信 東京創元社



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