酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2005年08月15日(月) 『世界中が雨だったら』 市川拓司

「循環不安」
 おとなしく真面目な男が、成功と愛を手に入れるために犯してしまった罪とは・・・

 「琥珀の中に」・「世界中が雨だったら」・「循環不安」、3つの物語に通じる静かなる絶望。いつもならちょこっとなにかで掬い上げてくれる市川さんが、今回は突き放したまんまで終る。ちょっとビックリ。いや、物語としては、ありだと思うのだけれど、書いた人が市川さんなので驚いちゃった。
 善良でただ普通に生きたいと願っている人間が、周囲の悪意に翻弄され、道を誤ってしまう。なんだか哀しかったですよ・・・。

 きっと、人は時と引き換えに宝石のようにきらめく思い出を得るんだと思う。命と思い出は同じ重さを持っているのよ。

『世界中が雨だったら』 2005.6.30. 市川拓司 新潮社



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