酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2005年08月16日(火) |
『かたみ歌』 朱川湊人 |
今から三十年近い昔、東京の下町にあるアカシア商店街に住んでいた人たちが体験した懐かしく心に温かくせつない不思議の数々・・・
先だって、『花まんま』で直木賞を受賞された朱川湊人さんの受賞後第一作を少し早くに読ませていただく光栄に預かりました。朱川さんは、この物語たちを書かれた時期が『花まんま』と近かったため、兄弟のような感じとおっしゃっています。『花まんま』は関西の下町での不思議。『かたみ歌』は関東の下町での不思議ですね。『花まんま』にも泣かされましたが、『かたみ歌』にも感動しました。こんなふうに心にダイレクトに温かい物語は最早‘癒し’です。読めたことを感謝する物語で、オススメですv 7つの不思議の中からあえて何かを選ぶことが難しいけれど・・・個人的には「夏の落とし文」と「栞の恋」がよかった。そして7つの物語をリンクさせた「枯葉の天使」は、ひとりの登場人物の謎が明かされるとともに、一緒に救われた気分になります。うーん、結局、7つとも全部好きですねぇ。たまらない贅沢さでした。朱川さんはもっともっと素敵になられる気がします。
「だから、向こうで会えるのを楽しみにしてますって。でも、なるべく、ゆっくりゆっくり、来てくださいって」
『かたみ歌』 2005.8.20. 朱川湊人 新潮社
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