酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2005年03月31日(木) 『骨肉』 明野照葉

 稲本家三姉妹、真子・聖美・美善はそう仲もよくない。母を亡くし、男やもめの父から招集がかかった。嫁いで専業主婦になっている真子、独立して仕事を生きがいにしている聖美、父のもとで気楽にOLしている美善。そんな三人に父は「新しい妹」を紹介した。いまどきのギャルの阿子は、いきなり結託した三姉妹の追い出し攻撃を浴びるのだが・・・

 明野照葉さんがこういう路線をポンって差し出されるとは意外な気がしましたが、読んでいるうちに明野さんらしいなぁとトッテモ面白かったです。タイトルの『骨肉』は骨肉の争いから来ているのだと思います。仲の悪い三姉妹が財産の分け前が減ってしまう事に目の色を変えて、まだ子供の阿子に徹底的に立ち向かう。読んでいて滑稽で、ある意味ホラーで人間って怖いなぁって感じます。ぞぞぞぞぞ。表紙のイラストの目と開きのイラスト目が内容をうまーくあらわしていることにも感心しました。

 しかし、自らの死を前にしてみれば、それらすべてが意味を失っていく。あの世には、何も持っていけませんから。

『骨肉』 2005.3.25. 明野照葉 中央公論社



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