酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年11月23日(日) |
『パラダイス・サーティー』下 乃南アサ |
栗子が一目ぼれした菜摘の店の客はとんでもない奴だった。それに気付いた菜摘は栗子を傷つけないよう密かに行動をする。そしてそれは自分の愛する女性を守ることにつながるはずだったのだが・・・。
栗子は久しぶりの心ときめく大恋愛にのめりこみ、親友・菜摘の忠告を嫉妬だと誤解してしまうところがあります。こういうところが女のややこしいとこころで、こういうちらっとした醜さを乃南アサさんはうまく表現されるよなぁと思います。 結局、栗子も菜摘も失恋をしてしまい、傷ついてしまいますが・・・そこはやはり友達ならではの相互協力で立ち直るところがいいデス。互いにいろんな感情を抱きあったとて、自分の間違いに気づき、相手に素直に詫びることができたら、やっぱり友達は友達でいられるものですよね。私にもそういう愛すべき憎むべき悪友が何匹かいます(笑)。 「最近、特にそんなことを感じるんだ。血のつながりとか、親戚だからとか、そんなことと関係なく、大切にしたいつながりがある。自分に正直に生きていれば、そういうつながりって自然に出来ていくんじゃないかと思う」
『パラダイス・サーティー』下 1997.6.25. 乃南アサ 幻冬舎文庫
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