酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年11月10日(月) |
『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午 |
成瀬将虎は、気ままなフリーター。好奇心旺盛でなんでもやってやろうと言う気概にあふるる男。もちろん女も大好き。そのため(?)に肉体を鍛えることも忘れない。トラが可愛がっている舎弟キヨシの思い人・愛子さんがトラブルに巻き込まれているらしい。行きがかり上、かかわるトラ。なんでも愛子さんの大金持ちのおじいさんが蓬莱倶楽部という団体にだまされた挙句、ひき逃げされたと言うのだ。調査に乗り出したトラは、地下鉄へ飛び込み自殺未遂の女性を助け、惹かれるようになるのだが・・・。
うーん、これはやられましたな。タイトルが素晴らしく素敵だったのでずっと読みたいと思っていたのですが、ある事情からしばらく取り置きしていました。結果的に言うと、時間を置いて読ませていただいてよかったな、と言うのが本音です。(この事情に関しては、今夜、酔いどれ日記の方に書くと思いますので、気になられる方はそちらへどうぞ) こういうふうに最後の最後でちゃぶ台をひっくり返されると、ただただ唖然とするばかり。ある事情からネタに気付いてしまったことが本当に残念。まっさらなまま読めていたらもっと楽しめただろうなぁ。(と言う訳でまだ未読の方で読む予定の方は酔いどれ日記は読まないようになさってくださいまし) 物語は将虎と言う精力的でタフないい男が魅力的だし、蓬莱倶楽部と言う怪しげな団体もなかなか興味をそそります。そして最後に・・・・・。あとはどうぞ読んでくださいね。
「好きなやつが死んじまうと、胸がズタズタに張り裂け、その穴は一年やそこらじゃ塞がらない。それが愛した女だとなおさらだ」
『葉桜の季節に君を想うということ』 2003.3.30. 歌野晶午 文藝春秋
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