酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年11月11日(火) 『初夜』 林真理子

「儀式」
 亜希子の夫は、娘と妻を捨てて亜希子と再婚をした。娘・佐穂に辛い思いをさせたからと夫は異様に佐穂をあまやかす。亜希子も心の中にわだかまりをおしこめながら佐穂と付き合うのだった。やがて亜希子は男の子を出産。しかし、夫はまた次の女のもとへと去ってしまう。その夫が亡くなったと言う知らせを受け、葬儀の場で亜希子は少女から娘へ成長を遂げた佐穂と再会を果たすのだが・・・。

 女VS女と言うものは、ひとりの男を介在してしまうと年齢など関係なく敵となるのだなぁと思いました。この『初夜』は、中年にさしかかった女たちの物語なのですが、心にじくじくと痛かったです。女と女の係わり合いは、シンプルな友情(男絡めず)に限ります。こわすぎ・・・。

 何よりも、娘の父親に対する天性の媚びというのは、どんな商売女も敵わないだろう。

『初夜』 2002.5.15. 林真理子 文藝春秋

 



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