酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEXpastwill


2003年10月27日(月) 『渚にて』 久世光彦

 クルージング・スクールの船が座礁。船から放り出された7人の少年少女たちが無人島へ漂流する。彼らはまったく文明のかけらもない大自然の中で<生きる>ことを強いられる。15歳から18歳までの少年少女たちの生と性と死。彼らの明日は未来は・・・。

 飽食の時代の申し子たちが、家族とは違う人間と運命共同体となります。食べること、眠ること、体を清潔に保つこと・・・さまざまな苦難に立ち向かう少年少女たち。思春期ゆえの性の問題にも直面します。状況に順応し、したたかに生きる彼らは美しい。
 でも、少し歪んだ視線から見るとこんなにも綺麗にやっていけるものだろうか、と思ってしまいました。私は汚れすぎているのかな・・・。うーん。もしも今の少年少女たちがこの物語の主人公たちのような心の持ち主であれば日本の未来は明るいんだけどなー。

 人が、ほんとうは何を考えているかなんて、他人にわかるはずがないわ。

『渚にて』 2003.9.30. 久世光彦 集英社



酔子へろり |酔陽亭酔客BAR
enpitu