酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年10月17日(金) |
『来なけりゃいいのに』 乃南アサ |
「降りそうで降らなかった水曜日のこと」 今日は水曜日。まゆの予定では‘ただぼんやり時を見つめる’日にするはずだった。しかし体育館の脇に置かれている花束から、誰かが死んだのではないかと大騒動になる。折りしもクラスメイトの沼田梓だけが休んでいた。梓が自殺? しかし本当に死んでいたのは・・・。
このまゆと言う少女は明るくて清潔な少女・・・のように思えますが、実は・・・と言うところがみそ。少女はいつから大人の女のずるさや演技を見につけていくのでしょうね。ふと自分が無垢な少女だった頃っていくつくらいまでだっただろうと遠い目になってしまいました(苦笑)。そして少女=女はずぶとくてたくましいよなー(実感)。 乃南アサさん攻略に燃えるワタクシですので、がんばって短編集から攻めていますv この『来なけりゃいいのに』もなかなかにゾゾゾとする作品もあり、面白かったです。表題となっている「来なけりゃいいのに」は私の好きな多重人格落としですし、「夢」なんて妙に思い込みの激しい人間の怖さが浮き彫りとなっています。あたりを見渡せばありえる題材ってことが怖かったかな。
嫌なことがあったって、時は流れていくんだから、いつか忘れることだってあるかも知れないんだから。
『来なけりゃいいのに』 2000.6.20. 乃南アサ 詳伝社文庫
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