酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年10月07日(火) 『エ・アロール それがどうしたの』 渡辺淳一

 来栖貴文は、銀座で瀟洒な建物の「ヴィラ・エ・アロール」という施設を経営している。来栖は、かつて母が亡くなった後に父親から22歳年下の女性との結婚を相談されいい返事をしてやれなかったことをずっと悔やんでいる。医者をやめて父の残した銀座にこの高齢者のための施設を作ったきっかけである。「エ・アロール」とは、フランス語で「それがどうしたの」という意味。来栖は、ここで「仕事や世間から解放された高齢者たちに、楽しく、気ままに“エ・アロール精神”で暮してほしい」と願っている。その甲斐あってか「ヴィラ・エ・アロール」では自由奔放な雰囲気があふれすぎ(苦笑)、楽しい語らいや恋愛問題!が絶えず生じている。そして父と同じく22歳年下の女性と恋愛をしている来栖なのだが・・・。

 ううーん、すごいですねぇ。渡辺淳一さんと言う方は・・・。秋の新番組で豊川悦司さんが主演すると言うことで、母から借りて一気に読んでみました。たぶんテレビでは小説の設定はかなり変わるだろうな、と思います。ラストも変わるといいのだけれど・・・。
 高齢化が進む日本で、高齢者の人たちが明るく楽しく生きて欲しいという願いがとてもよく伝わってきました。いくつになっても男と女。そんな雰囲気がとてもよかったです。日本人はセックスについて淫靡なイメージを持っているし、年を取ると‘ない行為’と捉えているように思います。この物語の素敵な高齢者たちのようにいつまでもときめいていて欲しいな。私もそんなおばぁちゃんになろうv

 それにしても、本当の恋をしてきたと、自らいいきれる人はどれくらいいるのだろうか。

『エ・アロール それがどうしたの』 2003.6.25. 渡辺淳一 角川書店



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