酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年09月30日(火) 『七つの怖い扉』 阿刀田高ほか

 《いちど足を踏み入れたら、もう戻れない。この扉、開けるも地獄 開けぬもまた、地獄――》・・・なかなかキュート(笑)な惹句でございます。そして惹句に見劣りのない七つの怖い扉を開けると、当代きってての怪異譚の語り部たちが描く七つの恐怖の物語。

「母の死んだ家」高橋克彦
 編集者とともに道に迷った作家が辿り着いてしまった‘母が死んだ家’。過去から逃げていた主人公が過去に飲み込まれた結果・・・。

 思えば、すべては偶然などではなかったのかも知れない。

 不思議なもので共通の趣味や嗜好を持つ方との間で、しばしばシンクロなる現象が起こります。実はこの高橋克彦さんが見出された作家の明野照葉さんのサイトで私が明野さんの物語を映像化して欲しいと書き込みました。するとそれに反応をしてくださった方が白石加代子さんの一人語り芝居‘百物語’に取り上げられるのもいいかもと書かれました。私は、白石加代子さんの百物語を拝見したことがあり、「おお、それも素晴らしい」と感嘆しておりました。その時に読んでいたのが、たまたま親友からもらったこの『七つの怖い扉』でした。宮部みゆきさんや乃南アサさんなどBigNameがずらぁーり。どの物語も面白い。そして最後に辿り着くと・・・<この作品は、女優の白石加代子氏による語り下ろし公演「百物語」の新作「七つの怖い扉」のためにそれぞれ書き下ろされたもので・・・>とありました。おお、まさにシンクロ。
 でももしかすると、すべては偶然などではなかったのかも知れませんね。

『七つの怖い扉』 2002.1.1. 新潮社文庫



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