酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年09月14日(日) 『安楽椅子探偵アーチー』 松尾由美

 及川衛は11歳の誕生日プレゼントを買うよう手渡された二万八千円という大金にどぎまぎしていた。母親の指令で欲しかったゲーム機を安く買えるお店に行く途中、西洋骨董アンティーク・ニシダの店先で不思議なため息を耳にする。そのため息に導かれ、衛が誕生日プレゼントに購入したものは・・・。

 洒落のような(いや、実際洒落なのかな)文字通り安楽椅子探偵の登場。去年『スパイク』で私の心を鷲づかみにしたのもそう言えば人間ではなかった(笑)。本当にこういう設定をさせたら松尾由美さんぴかいちなんだよなぁ。
 シャーロック・ホームズが好きな小学5年生。それはどうやら松尾由美さんのホームズ元年らしいです。物語の中であるひとのペンネームにぐっときちゃいました。好きな探偵へ思いを寄せて、素敵な物語を紡げて、松尾由美さんってしあわせな作家さんだなぁ。ほのぼのといい物語でした。
 なにより物語にフィットしたひらいたかこさんのイラストが最高ですv

「だけどそんなことを考えてもしかたがないわよね。歴史と同じで、わたしたちの人生にも『もしも』はないんですもの」

『安楽椅子探偵アーチー』 2003.8.30. 松尾由美 東京創元社



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