酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年09月04日(木) 『眩暈を愛して夢を見よ』 小川勝己

 須山隆治はAV制作会社に入社し、かつての憧れの人・柏木美南がAV女優として目の前に現れ衝撃を受ける。そして昔の様に美南に振り回される隆治。会社が倒産し、美南は失踪。そこへ美南を探す人々が現れ、美南の悲惨な過去が暴かれていく。そして連続する‘見立て殺人’?

 『この物語の真相は決して決して人に話さないでください』・・・話したくても話せません。どこに真実があるのやら、読後感は確かに眩暈がしますが・・・。
 ミステリーとしての要素はてんこもりなのですが、あまりにもたくさん盛り込まれすぎていて訳がわからなくなってしまいました。結末のあっさりした‘オチ’も小川勝己さんらしいと言えばそうなのでしょうが・・・。むー。不完全燃焼。
 すごく面白い展開の部分と、これが必要なの?というエピソード部分が交互にやってくるのでこんがらがって終ったとしか思えない。ちょっと悲しい。

 きみは、悪質な論理のすり替えを行ったのだよ。

『眩暈を愛して夢を見よ』 2001.8.20. 小川勝己 新潮社



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