酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年08月27日(水) |
『絆 ki・zu・na』 小池真理子ほか |
小池真理子さん・小林泰三さん・篠田節子さん・鈴木光司さん・瀬名秀明さん・坂東真砂子さんという豪華作家陣のホラーアンソロジーです。テーマは‘絆’。でもそれぞれの描く‘絆の悪夢’はまったく視点が角度が切り口が違います。アンソロジーの醍醐味ですね。 この中で私が気に入ったのは小林泰三さんの『兆』でした。坂東真砂子さんの『白い過去』も好きなのですが、小林泰三さんの不可解な恐怖に軍配を。
「兆」 自殺した少女の近辺を嗅ぎ回るフリーライターのなえ子。調査をしているうちに少女は学校のアイドルに好かれてしまったために嫉妬から陰湿ないじめにあっていたらしい。そして少女を先頭になっていじめていた女の子にとりついているらしい? 事件にひきこまれていくなえ子はそれこそとりつかれたようになっていくのだが・・・。
この物語は理解不能な恐怖と生理的嫌悪感に文章で訴えかけてくるのですごいなーと思ったのです。一歩間違うとグロになってしまいかねない手前の恐怖です。 アンソロジーは通勤や昼休みに読むのに最適v
『絆』 1998.8.25. 角川ノベルズ
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