酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年08月18日(月) 『くらのかみ』 小野不由美

 別名‘死人遊び’と呼ばれる‘四人ゲーム’。まっくらな部屋の四隅に四人が立ち、移動して順番に肩を叩いて回る。これは四人では成立しない。それなのに何時の間にか五人目がいたんだ。でも灯りのもとで見る顔は最初からいたとしか思えない。不思議不思議。どうやらこの中に座敷童子がいるらしい。それはいったい誰なんだろう。
 後継者選びのために親族一同が会した夏休み。子供たちは後継者選びより遊びに夢中。でも後継者選びの妨害なのか食事に毒が盛られたり、こどもたちは急遽少年探偵団になるのだが・・・。

 巷で大流行のミステリーランドの第一回配本のうちの一冊、小野不由美さんの『くらのかみ』はちょっとだけ不思議テイストもあり、子供たちの謎解きもあり、イラストが素敵で楽しめました。田舎の自然の緑を意識したらしいイラストたちは感動もの。特にラストページの梟は最高v
 遠い昔を思い出すノステルジックさにはちょっとだけうるうる。

「結局、おとなって欲深いのよ。お金がほしい、あれがほしい。子どもにはいちばんになってほしいし、お父さんには出世してほしい。いっつも、ほしがってばっかり」

『くらのかみ』 2003.7.31. 小野不由美 講談社 



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