酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年07月20日(日) 『歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ』 菅浩江

 商店街の楽器店の二階で音楽教室のピアノ教師をしている杉原亮子。音楽大学を首席で卒業し前途洋洋のピアニストとなるはずだった彼女は、なぜかここでゆったりまったりと子供たちにピアノを教えている。生徒のひとりの少女が変質者に遭遇した事件から、亮子は意外な探偵振りを見せる。亮子の周りで起こるさまざまな事件を解決していくうちに、彼女の周りの人たちは完璧な演奏をできなくなっている亮子のトラウマに気づく。亮子に助けられ励まされた人々は亮子の苦しみを取り除いてあげたいと願うのだが・・・。

 ううう、最後の亮子への周りの人たちの愛情の深さに思わず涙してしまいましたよ。お嬢様育ちでお金の苦労もなくのほほんと優雅に生きているかのような亮子の受けた過去の傷。亮子がそのトラウマを乗りこえようとしたのは、周りの優しい人たちの愛情ゆえ。よい話でしたわぁ。

「世の中には、天使と悪魔だけじゃなくて人間もいるから」

『歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ』 2003.5.20. 菅浩江 詳伝社



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