酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年06月01日(日) 閃光 永瀬隼介

 新宿副都心新宿中央公園をねぐらとするホームレス・ヨシ。ある日、ひとりの老人がヨシの側へ墜ちてきた。その老人が抱える闇が、昭和のミステリーを解き明かす鍵となることをヨシは知る術もなかった。
 同じ冬、ひとりの男が殺された。その男は迷宮入りとなった事件の容疑者のひとりだった。定年を控えて窓際へ追いやられていた刑事・滝口は、その被害者の名前を耳にした途端、かつての迫力と執念を取り戻し捜査にのりだす・・・。

 迷宮入りとされ、昭和最大のミステリーと言われる《三億円事件》。この事件を永瀬隼介さんが解き明かすとこういう物語となる。いくつもの遺留品と証拠から犯人検挙はたやすいと囁かれた事件が迷宮入りしてしまったのはなぜか。犯人たちと時代の抱える特殊な背景を鑑みると、ありえそうな物語になっています。
 永瀬隼介さんは、ノンフィクションライターとしても力のある方なので、この物語はフィクションと踏まえながらも、ありそうだなぁと思えてしまう。筆の運びの迫力はいつもながらすごい。事件ものをお好きな方にはオススメです。意外すぎる最後の犯人のひとりに驚いてくださいv

 「読書の邪魔をするって最低よ。野蛮人の行為でしょう」

『閃光』 2003.5.1. 永瀬隼介 角川書店



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