酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年01月04日(土) ねじの回転

 1936年2月26日にクーデター発生。これがいわゆる2・26事件です。この2・26事件はよく小説家さんたちの手によって物語化されています。今回は陸ちゃんの手による2・26事件。(ダ・ヴィンチ等で陸ちゃんが答えられていることなど引用する範囲のネタバレありです。まっさらで読みたい方は、これ以上読まないでくださいね)
 この物語は、タイトルからも想像がつくようにタイムパラドックスをテーマにした物語です。人間が過去に干渉をした時、果たして‘時間’はその介入にどういう動きを見せるのでしょうか。歴史は動かせるのか。歴史は繰り返されるのか。歴史は改竄(書き換え)を決して許さないのか。
 陸ちゃんは、《IF》もしもやりなおせたらを突き詰めてきます。もしもたった一度だけなにかをやり直す(訂正する)ことができたなら、人はその時点へ戻るのでしょうか。物語の面白さに惹きつけられながら、耐えず自問自答していました。今の全てを捨てても私はあの時点へ戻るのだろうか、と。
 陸ちゃんは、この物語の着想に映画『マトリックス』を挙げています。それまで動いていた人間がいきなり止まったらおかしいな、同じ時間を何度も何度も繰り返し体験したら変だな、という思いつきだけが最初にあったそうです。そこからこれだけの物語を書き始めたのだからすごい。そして書いているご本人にも着地点がわからないまま書き進めていたというのだから、もっとすごい。

『ねじの回転』 2002.12.10. 恩田陸 集英社



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