青春の思ひで。
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おにいちゃんとの電話を切って、間髪いれずにちはるさんに電話した。
「ちはるさん、どこまで知ってるんですか?」 「……うん。どうして瞳冴が今泣いてるのかはわからないんだけど。誰かに何か言われたの?」 「今日、Sちゃんがおにいちゃんと呑みに行く約束をしたって言うから、そのことで『何か隠してない?』っておにいちゃんに聞いたんです。そしたら……」 「そしたら、ルリのことが出てきたんだ」 「はい……」
おにいちゃんとちはるさんの話とあたしの気持ちをまとめるとこういうことになった。
おにいちゃんはルリさんとデェトのようなものを何回かした。 ルリさんとなかなか会わなくなってからも、時々デェトをするとルリさんに対する気持ちが強くなっていった。
そんなとき、あたしがおにいちゃんを「好き」だと言った。
ルリさんのことを好きだと思いつつも、関係が壊れるのが怖くて結局ルリさんには言い出せず、そしてあたしを傷つけるのが怖くてあたしを断ることもできず。 「『2番目』である『彼女』でもいい?」、とおにいちゃんはあたしに言った。 あたしはそれを承諾した。 「もちろんずっと2番目でいる気はない」、と宣言して。
「こんな不実な関係はやっぱり無理だ」とあたしがキレたとき、おにいちゃんは「ルリよりも瞳冴のことを想っている」と言ってくれた。
だから、あたしはルリさんのことは忘れた。忘れようと思った。忘れかけていた。
少し前に、「もうルリさんとは会ってないの?」と聞いたとき、おにいちゃんは「会ってない。連絡もしてない。自然に疎遠になった感じ」と言っていた。
でも、実は年末に、あたしが実家に帰省中に会っていた。
先月の終わり頃、ちはるさんのところへ、ルリさんから連絡が来た。 「Mくん(おにいちゃん)と連絡が全然取れないんです。ちはるさんから連絡くれるように言ってもらえますか?」と。 ちはるさんは特に深く考えずにおにいちゃんにそのことを伝えた。
ルリさんはその後ちはるさんに、おにいちゃんが好きだと言った。
おにいちゃんにも、言った。 だから、会いたい。会って欲しいって。
おにいちゃんは苦しんだ。 ずっとあたしのことはルリさんに言ってなかった。 あたしと付き合いだした初めは、あわよくばあたしもルリさんも手に入れたいと思っていたから。
でも、ルリさんに言った。 「ルリよりも愛しているひとがいます」と。
そして、直接話をするために、最後のデェトに行った。
それで、「もう二度と会わない」と言った。
あたしは。 あたしは、ルリさんからおにいちゃんを奪い取ったわけだ。 あたしがいなければ、おにいちゃんはルリさんのものだった。 ルリさんもおにいちゃんもお互いが好きで、そこに横槍を入れたのがあたし。
だけど。
もうそんな風には思えない。
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