無料ホームページ  林 檎 で あ  (すっぴんタイプ)

ヤプログに切り替えてみました写真附ミニ日記** 
奇特な方はドウゾ。隱し前略プロフィルにて生々しい,珠恵の生態が知れます。
当方は,Myエンピツは,非通知設定です。
残念ながら,追加してもらった人の日記は,更新される毎に読んでいます(照)探さないでください★



mail

home

bbs

│←バイオリンを弾くように、左腕を切れ。→│

あたしの肌とは異質の金属のものが、身の中に沈んでいく。




 黒い喪服を着た女性が、あたしの部屋へ入ってくる。
見知らぬ女性ではない。子供の頃から酷くあたしを可愛がってくれた人だ。
今日は、彼のお通夜だ。
周りに居る人が、次々に亡くなって行く。
母の同僚だった。母は『おねえ』という愛称で呼ばれていて。
夏にはバーベキューを、彼の家族と、しに行ったことも在った。

朝にインタァホンが鳴ると

「宅急便です」
  というインタァフォン越しの彼の声。
ロックを解除すると、ドアの前まで来てくれて、
いつも
「じゃぁ、サインしとくわ」
  と爽やかに言って、足早に去っていく。
大切な人からの荷物が届く喜びと一緒に、彼の笑顔もあたしの元へと届く。
でも。今日は彼の笑顔はあたしに届かなかった。
違う人だった。
母に、彼の死を聞いた時、 嘘だ と。
だから、半分陽気になって聞いていた。
彼は本当に、死んでしまったのだ。だから今日の
「宅急便です」は彼の声ではなかった。あたしは、贈り物の伝票に、
自分の手でサインをした。
 昔、葬儀屋に勤めている人の日記を、読んでいたことがある。
もう、閉鎖してしまったかもしれない。人が死んだときの
その周りの悲しみが伝わってくるようで、途中で読むのをやめてしまった。
その人の日記の沢山の言葉の中に在った ひとこと を未だに覚えている。

『死体を見て泣くな。死人の生きていた事を思い出して泣け。』

葬式に参列した人たち、死体を見ながらハンカチ片手に泣く。
嘘の涙を。否、清らかなる涙でしょうか?

 ↑投票釦

ご冥福をお祈りします
など、言えない。彼の居たあたしの生活のワンシーンは、ずっと心に在り続けるのだから。忘れない。
この「忘れない」を嘘にはしたくない。彼の死んだ青白い顔ではなく、笑顔を刻んで置きたい、そう願うのです。

 あたしはまだ、彼を求めていたのだと、今頃になって気附く。彼の笑顔がまた見たい。
大切な人からの贈り物と一緒に
彼の笑顔が見たかった。たった一瞬でも良かったのだ。
あたしは幸せだった。
彼が手に取った、大切な人からの贈り物が運ばれてくる。
その瞬間が。

 母は、彼のお通夜に行かなかった。
本当のお別れは、まだ。
彼の死因は、心臓病。

 ↑投票釦にょろ都築が見たい方は押して頂戴。
本当?
 あたしはその言葉を信じてきたけれど、
あたしの歩く先を照らしてくれる人は、
やっぱり、母なのだろうか。

母は、あたしの心の中は空っぽなのだといいます。
何も考えることの出来なくなるほど悩んでいると、あたしはそうは思いません。
悩んでなどいないのです、辛くなど無いのです、空虚な心を抱いてはいないのです、心の中には常に細い針が存在しているだけなのです。
其れが時折あたしの心の壁に当たり、チクっという痛みを伴って
脆い内側を突き刺していく。
あたしの心の中には、針が在るのです。

§2003年04月07日(月)§

old

list

future



↑エンピツ投票ボタン★押すと続きが出ます!!

ダイメイヲクダサイ クェートの方
Design by shie*DeliEro
お財布
Picture by 霧原ユキ*BorderLine Syndrome




I eat apples. <ァィ,ィート,ァポーズ。>

SINCE 2005.4.13 COUNT THANKS

珠恵との相性チェック Lilypie Kids Birthday tickers