箱の日記
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2004年12月19日(日) 植物園行き


植物園行き



植物園行きのバスに乗って僕はどこかへ行こうとしている
空席のそばに立って
片手に葬式でもらった香典返しをぶら下げ
ずいぶん冷えるから
セーターを着てこれば良かった
なんて考えている
暖房の音はするのだけど

布団のなかのきみの
困ったような
欲しいような
額のあたりを思い出すたび
「降ります」のボタンがピイと光る
あれはなかったことにできるんだろうか

いつのまにか
周りはじいさんばあさんばかり
このまま誰も降りなければ皆
植物園行き

だから僕が次のボタンを押す
指先が震えたら
って考えると胸がつまるのだけれど





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